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日本列島はすっかり梅雨本番。雨模様の日が続いている。「ウーマンウェルネス研究会 supported by Kao」(代表・対馬ルリ子/産婦人科医)が首都圏在住の20〜50代の男女810人を対象に調査を実施したところ、この時期ダルい・憂鬱・体が重い・やる気がしない……など、いわゆる「梅雨ダル」を実感している人が、じつに6割にものぼる結果が出たという。

 

さらに、自覚症状のない人でも、3人に1人は実は体調に変化が起きている「隠れ梅雨ダル」の可能性があるというのだ。それにしても、梅雨になるとこれほどまでの人が体調を崩すのはなぜだろうか。

 

国際中医薬膳師であり、中医学に基づいた理論で体調を整える薬膳のスペシャリストである坂本雅代さんは次のように解説する。

 

「西洋医学では、湿度が高いことによる自律神経の乱れが原因とされています。中医学の考えも西洋医学と近いのですが、湿気による『湿』が体に入ってきて滞ってしまうのが原因と考えられます。中医学では季節を『春』『梅雨』『夏』『秋』『冬』の5つに分けて考えます。その季節ごとに、気をつけたい体の5つの部位(五臓)と、邪気があるのです」

 

なんだか聞くと怖いが、邪気とは「風」「寒」「暑」「湿」「燥」「火」の6つで、いわゆる自然界で起こる湿気や乾燥、暑さのことだそう。梅雨どきは先述した湿が邪気になる。弱りやすいのは五臓のうち「脾(消化機能)」。

 

「脾は消化機能との関わりが深く、湿を嫌う性質があります。湿が体内に入り込むと、水分過多になり、水分代謝が乱れて、むくみやすくなってしまいます。そのほか、消化不良、食欲不振、下痢、月経が長引く、肌のたるみなどのトラブルが起きやすくなります。体の中の余分な水分が冷えてしまうため、体が冷えやすくなったり、頻尿など尿トラブルになったりする人も多いですね」

 

中医学の考えでは、体は「気」「血」「水」の3つのバランスから成り立っている。これら3つはセットで、どれかが滞ると、残りの2つも滞ってしまう。

 

梅雨どきは体内の水の巡りが悪くなることで、残りの2つの巡りが滞る。そのため、気がふさいで鬱々としたり、血の巡りが悪くなり栄養が全身に行き渡らず、倦怠感が出やすくなったりするというわけだ。これらは中高年以上の女性に顕著だという。

 

「日ごろの運動量の低下から、筋肉量が減っているため、代謝も落ちがちであることが原因です。そのため、体の中の水分を十分に排出できない状態に陥りやすくなってしまうのです」

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