40歳を過ぎて年齢を重ねてくると、体重やウエスト回りが気になって、何を着ればいいかわからなくなるもの。
「50代を迎えて“おばちゃん体型”になるのは、人間として当然のことですから、自分を責める必要はありません。私はそれを“大人体型”と肯定的に呼んでいます。しかし、服の選び方や着方しだいで、5キロやせて見せることができるんです!」
そう断言するのは、服飾戦略スタイリストの窪田千紘さん。10月13日に著書『大人体型の「きれい」を引き出す着こなしの作戦』(講談社)が発売された。彼女が発信するブログは「ファッションの悩みが即解決した!」と絶賛され、著書は発売前の9月時点にして、Amazonの「本」カテゴリで1位を獲得。
「女性は40~46歳のとき、下半身より上半身のボリュームが目立つ体形になります。そして50代に入ると、おなかとバストがほぼ同じサイズになるケースも……。その体形をキレイに見せるのに大事になるのが、服の色や形。たとえば黒や紺は、ピンクと比べて小さく見える視覚効果があります。上下が分断していないロングカーディガンは、丈が長いほどスタイルをよく見せることができる。昔着ていた服をそのまま着るのではなく、自分がどう見られているのか、客観視することがやせ見えへの第一歩ですよ」
窪田さんが50代女性のための「5キロやせ見え」の法則を教えてくれた。
■ロングドレスでキレイなラインを
「ウエディングドレスや着物は女性を確実に美しく見せてくれます。その理由はどれも1枚の布でできているから。トップスとボトムスで上下を分けるのは、体のラインも分断してしまう。ロングワンピース、ロングカーディガン、ロングシャツなどの、ロングドレスに近い形のシルエットを目指しましょう。丈は長ければ長いほど、着やせしてスタイルがよく見えますし、黒や紺は着やせ効果をさらに高めます。今年の秋冬は、ニットのロングワンピースにロングブーツを合わせるだけで、キレイ度が上がりますよ」(窪田さん・以下同)
■濃い色で体を引き締めよう
「花柄や色物を選ぶ女性も多いですが、私たちはおもに黒や紺を使った濃い色の服やアイテムを発信するようにしています。黒や紺は、ピンクなどの膨張色よりも引っ込んで見える視覚効果があり、確実に細く見せてくれます。実際、ピンクと黒を並べて見ると、黒のほうが小さく見えますよね。50代で、『あの人いい感じ』というビジュアルを目指すなら紺で全体をコーディネートするのがベスト。黒よりも爽やかかつ上品で、柔らかい印象になります。茶やグレーは、実は着こなしが難しく顔うつりが悪くなるので避けたほうがいいかもしれません」
■ワンカラーでセンスアップ!
「これはロングドレス作戦の応用編です。『何を合わせよう?』と悩むときは、上下をワンカラーにそろえるだけでOK。上下の色が統一されていると、品がよく見えて好印象を持たれます。人は頭、トップス、ボトムス、足と4つのパーツに分かれており、視線は色彩が強いところに行きますから、上下で視線を分断させないようにするのがやせ見えのコツです。ただし、カラーには注意を。人気のあるカーキも、トップスにするとほかと合わせるのが難しいですから、顔のまわりを明るくするにはオフホワイトがおすすめです」
■棒ラインで「長方形」を目指そう
「50代はおなかとバストが同じ大きさになる傾向があるようです。そんな大人女性を美しく見せるシルエットのひとつに、『棒ライン』があります。日本の伝統の着物も棒ラインとされ、着ている人に細長い印象を与えることができます。頭からつま先まで、細長い長方形になるようなコーディネートをイメージしてみましょう。ロングカーディガン、ガウンコートなど、縦のラインが出るアイテムを選びましょう。さらに、膝下まであるガウンコートやニットの同じ色の上下は着るだけで棒ラインになります」
さっそく、明日からのコーデに“やせ見えの法則”を取り入れてみよう!