「家電量販店ではいつもセールをしている気がするし、いつ買えばいいのかわからない」と悩んでいるあなた。各家電に買い換えのベストタイミングがあるんです。
「店員に勧められるがままに商品を購入していませんか? しかし、その商品は、“最新・最高機能”、そして“最高価格”のものがほとんどなんです。賢く家電を買い換えるためには、価格変動の“法則”を知る必要があります」
こう話すのは経済評論家の加谷珪一さんだ。冬のボーナス目前。家電の買い換えを検討している人も多いはず。だが、どの商品をどんなタイミングで買えばいいのか。加谷さんは、「家電の価格は『季節要因』と『製品サイクル』という2大要素で決まる」と語る。
「季節要因とは、年度末の決算セールや、ボーナス期などに行われる値引きセールのことです。しかし、この値引き幅には限度があり、せいぜい10%程度にすぎません。大きく差が出るのは新モデルが出て“型落ち”を迎えるまでの製品サイクル。多くの商品は、発売から半年で30~50%も安くなっていきます」(加谷さん・以下同)
では、各家電の「買い換えベストタイミング」はいつなのか? 加谷さんが教えてくれた。
■テレビ(11~1月)
「テレビは5~6月に春の新商品が発売されますが、その半年後の11月~1月が“買い換え”のベストタイミングです。9月と10月にも秋の新商品が発売されますが、この半年後は3月、4月と次の春の新商品の発売直前となります。新旧モデルの価格差が大きいと、新商品の購買意欲を削いでしまうので、旧秋モデルの価格はそれほど下がらないでしょう」
■洗濯機(1~2月、4~5月)
「洗濯機も、夏と秋の年2回新モデルが出るアイテムです。半年後に当たる年明けの1~2月と来年4~5月あたりがベストタイミングとなります」
■パソコン(12月、4~5月)
「パソコンは次々と最新スペックが登場する賞味期限の短い家電です。春(6月)と秋(10~11月)の年2回、新モデルを発表しています。したがって、半年後の12月か、来年4~5月あたりが、ベストタイミングです」
■冷蔵庫(3~4月)
「冷蔵庫は年に1回、秋に新商品を出すメーカーが多い。よって半年後の3~4月が買い時です。じつは、日本では大型家電の販売台数が著しく落ちています。実質所得が減っていることや、製品寿命が延びていることなどが要因です。冷蔵庫はそれが顕著で、この10年で販売台数は30~40%ほど減少しています。各メーカーは、新モデルを高機能化させ、価格を上げることで対応してきました。10年前と比べて、価格は1.5倍にも跳ね上がっているのです」
■電子レンジ、食洗器、ロボット掃除機(各セール期間)
「電子レンジなどは、新モデルの発売時期が固定しておらず、年間を通して製品サイクルによる価格変動が少ないアイテムです。年末年始や決算期などのセール時に購入してもいいでしょう。ただし、駆け込み需要と重なる、消費税が10%に引き上げられる見込みの来年秋の決算セールは避けるのが得策です」
価格変動の“法則”を見極めて、欲しい家電をお得に手に入れよう!