あなたが少し考え方を改めるだけで、ちょっと習慣を変えてみるだけで、貯蓄のスピードが劇的に早くなるかもしれない。200人以上の億万長者に会い、ベストセラー『お金持ちの教科書』などを著書に持つ経済評論家の加谷珪一さんは、“お金持ち”には共通する習慣があると話す。
「いままで数多くの“お金持ち”を見てきましたが、彼・彼女らには共通点が多くありました。そのひとつが、買い物や時間を使うといった日常の習慣を『消費』なのか、『投資』なのかで分類していること。『~が欲しい』という欲求で買うのが『消費』、収入につなげるためのツールとして買うのが『投資』です。あなたもその分類を念頭においたうえで、『投資』に比重を置いてみてください。これだけであなたの買い物の仕方や時間の使い方が劇的に変わるはずです」(加谷さん・以下同)
加谷さんが今まで見てきた実例をもとに、そんな“お金持ちの習慣”を解説してくれた。
【見えの習慣】
例:年収700万円の会社員の夫がいる40代の専業主婦のEさん。少しでも出費を切り詰めるために、夫には「3着2万円」の激安スーツを強いているけれど……。
「人は見た目が9割といわれることも。ご主人がいいスーツを着ることで、商談相手や上司の印象がよくなり、昇進や給与アップにつながる可能性があるなら、それは十分“投資”に値することです」
ちなみに、お金持ちを見分ける方法として、腕時計、靴を見ろとよく言われるが……。
「私の経験からいうと、お金持ちは、圧倒的に腕時計のほうにお金をかけています。それは靴よりも、腕時計のほうが人の目線がいきやすいからだと考えられます。お金持ちは身に着けているものが、いかに人の印象を変えるか、よく知っているのです」
とはいえ、超高級品は必要ない。
「値段が2倍になれば、品質も2倍とは限りません。価格が高くなるほど、生産量が少なくなるので、店側は価格あたりの利益率を増やし、原価率を下げているのです」
出世や昇給につながる可能性があるなら、夫のスーツは投資と考える。だが、2倍の値段は2倍の品質を保証しないと胆に命じよう。