「運を上げるために大事なのは、体をゆるめること。何をやってもうまくいかないと悩んでいる人は、心だけでなく体もガチガチに緊張しているんです。『開運ヨガ』で体がゆるむと心の緊張がとれ、ものごとが驚くほど順調に進むようになりますよ」
こう話すのは、インド中央政府公認のヨガインストラクター、皇村昌季さん。現在、都内の医科大学の大学院医学科で医学研究者の立場からヨガを研究している。
皇村さんが教えるのは、インドの古典的ヨガ「ラージャ・ヨガ」を現代風にアレンジし、脳科学的裏づけをもとに開発した開運ヨガ。動きのある緊張のポーズと脱力したリラックスのポーズを交互に繰り返すのが特徴だ。
ヨガ教室の生徒からは「アラフィフで結婚を諦めていたのにプロポーズされた」「無理だと思っていた子どもの夢が実現した」など、喜びの声が相次いでいる。
2年前にも本誌に登場した皇村さんだが、その後の研究でさらにヨガと“開運”の関係を裏づける事実がわかってきたそう。
「ストレスまみれの人の脳には、ある特徴があります。記憶をつかさどる海馬が萎縮し、その先の偏桃体が大きくなっているのです」
こうした人はストレスがストレスを呼び、何をやってもうまくいかない悪循環に陥ってしまう。
「このとき体は、ストレスという“敵”に対して、臨戦態勢になっています。医学的に説明すると、敵や危険から身を守るための闘争・逃走反応が無意識に起き続けて、体がガチガチになっている状態。交感神経は過剰に働き、車のアクセルを踏みっぱなしにしているようなもの。こうなると、いくら頭でマイナス思考をやめようとしてもうまくいきません。開運ヨガは、心ではなくまず体にアプローチし、体の緊張を解くことで心の緊張をゆるめていきます」
開運ヨガで、緊張とリラックスのポーズを交互に繰り返すと、ブレーキ役の副交感神経が活発化し、体の緊張が自然と解けていく。
「ヨガを続けると、ストレスで大きくなった偏桃体が元のサイズに戻ることが、医学的に証明されています。ストレスホルモンのコルチゾールの分泌が抑えられ、頭の中を支配していた不安の声も静まっていく。するとポジティブ思考になり、人生において前向きな選択ができるようになります」
さらに皇村さんが強調するのは「潜在意識」へのアクセス。潜在意識とは、精神科医のフロイトやユングが唱えた概念で、私たちの意識下に存在し、他者の意識、ひいては宇宙すべてにつながっているもの。いわゆる“虫の知らせ”のような第六感は、この潜在意識によるものと考えられている。
「騒がしい不安の声がヨガで消え、表層の意識がクリアになると、潜在意識につながりやすくなります。無意識のうちに自分の願望が他者の意識に届くので、自分1人ではかなえられない願望もスルッとかなってしまう。ヨガの生徒さんから『カフェを開きたいと思ったら、突然カフェ経営の話が舞い込んだ』なんて話をよく聞きます」
運気を呼び込むためにまず必要なのは“体をゆるめる”ことだったのだ。