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「毎年、夫や私の実家に子ども2人を連れていくだけでも、飛行機代で往復15万円ほどかかるんです。もっとほかのことにお金を回したいけれど、“孫の顔が見たい”と言われると、1年に1回は帰省しないと、と思って……」

 

そう嘆くのは、50代の主婦。今年10月には、消費税が10%に引き上げられる見込み。旅費も負担が重くなることが予測される。帰省資金を捻出するには、日ごろの出費を抑えるしかないのだろうか……?

 

「いえ、そんなことはありません。家族旅行を計画していたり、長期休暇によく帰省するという人は、『旅行積立』を使うと、お得に資金を貯めることができます。旅行積立とは、大手航空会社や旅行会社が扱っている旅行資金積立サービスのこと。満期になると、預けたお金に運用益がプラスされます。その利率は1.75~3%と、銀行の利息を大きく上回るものばかりなのです」

 

そう話すのは、旅行積立を利用し、毎年計画的に家族旅行を楽しんでいるというファイナンシャルプランナーの高山一恵さん。申し込み方法は次のとおり。店舗をもつ旅行会社などは、営業所で手続きができる場合もある。手続きが済んだら、満期額になるまで“ほっとくだけ”。満期が来たら、相当額の「旅行券」を手に入れることができる。

 

■旅行積立利用の流れ(JAL旅行積立の場合)

 

(1)申し込む
WEBから申込書をダウンロードし、必要事項を記入(「JAL 旅行積立申込」で検索→専用ページから「お問い合わせ・資料請求」をクリック)。または、電話から資料を請求、申込書が届いたら必要事項を記入。それぞれ記入したら申込書を郵送。

 

(2)預ける
申込書が先方に届いたら、あとは満期まで“ほっとくだけ”でOK!

 

(3)受け取る
満期後、得したぶんの「JAL旅行券」が手元に。

 

(4)使う
系列の飛行機、ホテル、レストランなどで旅行券が使用可能!

 

高山さんはまず、これから旅費を貯めたい人向けに「毎月払い」コースを紹介する。

 

「定期預金のように、満期額まで貯めていきます。最低積立期間は6カ月、もしくは12カ月。目標満期額と積立期間を決めて、月ごとの支払いを計算します」

 

冒頭の主婦の場合、来年のお盆の帰省資金として、1年間に15万円を貯めることが目標になる。

 

「JALやANAの毎月払いプランを選択すると、毎月1万2,301円積み立てとなり、年間の総支払額は14万7,612円。これで15万円ぶんの旅行券が手に入りますから、2,388円ぶんお得に。航空会社のプランで魅力なのは、なんといっても3%という高い利率。大手銀行の預金金利は0.001%なので、利率のうえでは相当得しているんです」

 

大手航空会社のJALとANA、旅行代理店のJTBとH.I.S.の毎月払いで、20万円を目標にした場合の月ごとの積立金と、お得額をまとめたもの(各社ホームページを参照)は次のとおり。

 

【JAL】「JAL旅行積立」毎月払いコース
最低積立期間:12カ月/満期額:6万1,000円~/1年間で約20万円を目標額にすると……毎月1万6,401円支払い、3,188円お得!

 

【ANA】「ANA旅行積立プラン」毎月払いコース
最低積立期間:12カ月/満期額:5万円~/1年間で約20万円を目標額にすると……毎月1万6,401円支払い、3,188円お得!

 

【JTB】「たびたびバンク」定期積立プラン
最低積立期間:12カ月/満期額:6万円~/1年間で約20万円を目標額にすると……毎月1万6,511円支払い、1,878円お得!

 

【H.I.S.】「旅行積立 貯めチャオ」毎月払いコース
最低積立期間:6カ月/満期額:5万円~/1年間で約20万円を目標額にすると……毎月1万6,505円支払い、1,932円お得!

 

【JCBトラベル】「JCBトラベル旅行積立」毎月払いコース
最低積立期間:12カ月/満期額:12万円~/1年間で約20万円を目標額にすると……毎月1万円支払い、3,600円お得!(20万円を目標額にする設定がないため、12万円に設定した場合を想定)

 

航空会社よりお得額が低いように見える旅行代理店には、どんなメリットがあるのだろうか。

 

「満期になるともらえる旅行券は、自社系列での旅行商品やホテル、レストランなどにのみ使うことができます。航空会社の場合は飛行機に乗ることが前提のため、新幹線や鉄道旅行を考えているなら、豊富なツアーパッケージをそろえている旅行代理店がオススメ」

 

また、クレジットカード会社JCBが運営するJCBトラベルの商品も、初回利用時の利率が3%。月1万円、1年間支払い続けると、3,600円ぶん、JCBトラベルを利用しての旅費にあてることができる。

 

「カード払いであれば、支払ったぶんのポイントもカードに貯まりますので、JCBカードを愛用している人はこちらを検討してみてもよいでしょう」

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