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「私が考える“育ち”とは、“佇まい”のこと。そのとき・その場にふさわしい所作や振舞いを知っているか、いないかで差が出るものです。必ずしも、生まれ育った環境を指すわけではありません。つまり、TPOにふさわしい所作や振舞いさえ知っておけば、いまからでも“育ちがいい人”になれるのです!」

 

こう話すのは、皇室や政財界の人などへのアテンド指導を行ってきた「マナースクール ライビウム」代表の諏内えみさん。著書『「育ちがいい人」だけが知っていること』(ダイヤモンド社)が累計30万部突破のベストセラーとなっている、“お作法のスペシャリスト”だ。

 

「年末年始は、お世話になっている人へのご挨拶、年賀状、そしてお歳暮……さまざまな場面で“育ち”が出ます。コロナ禍ではありますが、そんな特殊な状況下だからこそ、ご自身の所作や言葉遣い、振舞いについて“育ちがいい人”にならうだけで、よりいっそう、周囲の人に感謝の気持ちを伝えることができるのです」(諏内さん・以下同)

 

そこで諏内さんに、今年だからこそ知っておきたい“初詣でのお作法”について教えてもらった。

 

■初詣で、神様の前でもマスクの考え方はそれぞれ

 

「初詣でで神社に出向くということは、神様に会いに行くということ。あまりカジュアルすぎたり、派手すぎるものは避けたいですね。神様の前にふさわしい格好で向かいましょう」

 

神様の前では、「特段マスクを外さなければならないということはありません」と諏内さん。

 

「『マスクでご挨拶は失礼』と考え例年どおり外されても、『神様にうつらないよう……』と着けたままでも、それぞれの心遣いでよろしいでしょう。ただし、帽子や手袋は、神様の前ではとるほうが好ましいですね。あたりを見回して“密”になりすぎないようにする、という『ソーシャルディスタンス』はコロナ対策として当然ではありますが、人と心地よい距離を保つことを心がけておくと、“育ち”に磨きがかかりますよ」

 

“育ちがいい人”になるためには、心がけたいことがある、と諏内さんは語る。

 

「1つは、『素直な心を持つ』ことです。新しい指摘や教え、アドバイスなどを、自分の先入観や価値観で頭から否定したり、『でも〜』とか『だって〜』などと言い訳していては、吸収できるものもできません」

 

そして2つ目は「俯瞰力」=「全体をみて把握する力」だという。

 

「最適な所作や振舞い、つまりマナーとは『相手に心地よくなってもらう』ためのもの。その場所や、どんな人と一緒にいるのか、シチュエーションなどでも着眼点が変わります。瞬時にそれを把握して、何が必要かを理解する俯瞰力が、人を心地よくするんです」

 

そして最後は、“笑顔”を忘れないこと。

 

「マスクは笑顔を伝えづらいといわれますが、マスク越しにでも気持ちを伝える努力が大事ですし、できる方法もあります。それは『目を細めて笑う』こと。『目尻が下がる』というように、目尻に笑みの表情が出ますし、双方が心地よくなれるはずです」

 

「女性自身」2021年1月5日・12日合併号 掲載

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