神様・仏様に願掛けしたいことのひとつが病気の平癒。
「今ほど医療が発達していなかったから、昔の人は、疫病に関して神社仏閣がよりどころ。わりと健康祈願はどこの神社仏閣でもできますが、ぼけずに健康で長生きすることに特化した寺社をあげてみました」
こう語るのは、神社仏閣ナビゲーターの尚さん。人生100年時代、健康な体はもちろんのこと脳の衰えも気になるところ。そこで、尚さんが「認知機能の改善に御利益のある寺社」を、参拝の心得とともに紹介ーー。
【「ぼけ封じ寺社」参拝の心得 】
■参拝は多くても2カ所まで
あちこちでご祈禱を受けていては、神仏に対して不義理に。神様・仏様も「私はどこまですればいいのだろう」と迷ってしまいます。
■代理での参拝もOK
本人が参拝するのが困難な場合でも、ご家族や友人がその方を思う気持ちはしっかり届きますから、代理でお願いしてもいいのです。
■シンボルには心からの敬意を
ぼけ封じ寺社には、ご神木や石など、その御利益の象徴があることも多い。参拝するときは、敬いと感謝を忘れてはいけません。
■介護者の幸せも一緒に祈る
認知機能の低下に悩むご本人の平癒もさることながら、介護者の心の平安も大切。一緒に幸せになれるように祈願しましょう。
■症状が改善したらお礼の参拝を
認知症が疑われる症状やその人との関係に改善が見られたら、お力を貸してくださった神仏への感謝を忘れず、お礼に伺いましょう。
【全国「ぼけ封じ寺社】
■「昭和大仏青龍寺」青森県青森市大字桑原字山崎45/参拝時間・8:00~17:30(時期により参拝時間異なる)
昭和大仏青龍寺は、織田隆弘師が創建した五重塔と大仏が目印の寺で、青森市の名勝。1984年に造立された昭和大仏は、青銅座像としては日本一大きい。高さ21.35メートルと奈良や鎌倉の大仏をもしのぐ。昭和大仏青龍寺に祭られている「ぼけ除観音」は柔和ななかにも芯の通った強さが秘められた顔が特徴。人々の声にならない声を感じ取り、苦しみを除いてくれると古くから信仰を集めている。
「参拝者自身が気づいていない魂の声をくんで、願望実現へと導いてくださる観音様。ご本尊様を参拝した後、ぼけ除観音様にお参りを」(尚さん・以下同)
■「玉川大師」東京都世田谷区瀬田4-13-3/参拝時間・9:00~16:00
大正時代、龍海大和尚により大師堂が創建された玉川大師。その後、日本でも有数の地下仏殿が増設された。その規模は、深さ5メートル、参道約100メートルと壮大。地下仏殿内の石仏を拝むと、四国八十八ヶ所・西国三十三所すべて巡ったのと同じ御利益があるという。境内に祭られるぼけ封じ観音菩薩様は、長寿化による病や認知機能低下への恐れを抱く人の心のよりどころとして参拝されている。
「観音様は人間との距離が近く、参拝者の心に寄り添って、願い事を聞いてくださいます。ご本尊→地下仏殿→ぼけ封じ観音様の順に参拝を」
■「今熊野観音寺」京都府京都市東山区泉涌寺山内/参拝時間・8:00~17:00
平安初期より信仰を集めている今熊野観音寺。当時、後白河法皇の持病であった頭痛を十一面観音菩薩様が御夢告により、封じたといわれている。住職によると“観音様は決まったひとつの姿だけではなく、さまざまな姿に変わって人々を救ってくれる”とのことだが、この頭痛を封じた観音様が、現在はぼけ封じの願いを聞いてくれる。
「ここでは、身代わり石仏を奉納できるので頻繁に参拝に行けない人も安心。石仏に健康長寿を祈願してぼけ封じ観音様に奉納すると、万病を代わりに引き受けてくださり、あなたを守ってくれるでしょう」
■「北海道東照宮」北海道函館市陣川町82-153/参拝時間・9:00~16:30(時期により参拝時間異なる)
徳川家康が祭られる北海道東照宮。戦乱の世を鎮め、長命で聡明だった家康。宮司からはこの遺徳にちなみ、世の中のさまざまな誘惑に負けず自分を律する気持ちで参拝してほしいとの助言が。
「家康公からの強いエネルギーが感じられます。家康のように自分らしく生きられる方法を教えてくださいという気持ちで参拝を。二礼二拍手一礼で」