■残すモノ
【大切な人へのメッセージ】
夫や子どもたちなど身近な人を大切に。感謝を伝えると自分にも大きな変化が起きてくる。
【家系図】
時間があるときこそ祖父や祖母の代までさかのぼり、ルーツを調べて自分史を書いてみよう。家系図がわかると相続のときにも役立つ。
【とりあえずのための「現金」】
急な入院時は、家族が保証金や入院費の支払いなどを行わなくてはならないが、その際、50万円程度の現金が手元にあると手続きもスムーズに。
【「万が一ファイル」】
とりあえずのための「現金」とともに、自分が倒れたときなどを想定して、家族が手続きに必要となる情報を1冊のファイルにまとめておこう。
〈「万が一ファイル」に記載しておく情報〉
・口座番号、金融資産、不動産、有価証券、負債など
・デジタル情報(ID、パスワード)
・公共料金、新聞、各種サブスク、クレジットカードなど(引き落としを停止してほしいもの)
・入院時の保証人、緊急時連絡先、保険の請求先など
「手続きをしてもらう子どもにファイルの置き場所を伝えておくと探す手間が省けます」
残すモノについてポイントになるのが、この年代で多くの人が経験する「親の看取り」。ちょっと気が早いようだが、このタイミングで自分が看取られるときのことを想像してみれば、残すべきモノもおのずと見えてくる。
「高齢になると判断能力が低下してくるので、どんな介護を受けたいのか、終末期の延命治療をどうするか、といったことも含めて考えておきましょう。自分が死んだ後の献体やお墓の扱いについても、できればお子さんたちと話し合っておきたいですね。70代、80代になって気持ちが変わったら変えてもいいのです」
そして何よりこの年代から残しておきたいのが「相続」のための情報だ。
「家系図を作っておくと、自分のルーツをたどれるだけでなく相続のときにも役立ちます。あと、必ず残しておきたいのが、『万が一ファイル』と、とりあえずの現金でしょうか。入院時の保証人や死後の手続きをお願いする人、メインバンクの情報だけでなく、契約を止めてもらいたいガスや電気、スマホ、クレジットカードなどの情報をまとめておくといいでしょう」
後で定期的に見直せばいいので、とりあえず作成しておこう。