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平均寿命が男性より長い女性にとって、老後の「年金」は大事な収入源。年金は、一度受給を開始したら、死ぬまで“減らない財布”です。だからこそ、少しでも受け取れる額を増やしたいもの。その増やし方、教えますーー。

 

「PGF生命の調査では、60歳の25%が『貯蓄が100万円未満』。4人に1人は老後資金がほぼない状態なのです。とくに私が心配しているのは女性の老後です」

 

こう話すのは、最新著『私の老後 私の年金 このままで大丈夫なの? 教えてください。』が話題の“年金のプロ”長尾義弘さん。

 

「総務省の『家計調査(’19年版)』では、高齢の無職の夫婦世帯の平均支出は月額約27万円。シングルの場合は月額約15万円です」

 

今回、長尾さんは独自の年金受給額シミュレーションを使い、夫が正社員の専業主婦、ともに正社員の共働き夫婦、ともに自営業の夫婦が、65歳から年金を受給した場合の月額受給額を試算。

 

また、女性のさまざまなライフスタイルの変化により、起こりうる年金受給の変化についても試算(数字はすべて概算。以下、コメントはすべて長尾さん)。

 

妻の立場別、老後のリスク別に、もっとも得な年金の受け取り方を長尾さんの試算をもとに徹底解説していこう。

 

「妻が専業主婦の世帯では、前出支出平均と比べ月額2万円の赤字となり、けっこう生活は厳しい。そこで提案したいのは、夫にとにかく70歳まで働いてもらうこと」

 

70歳まで夫の収入だけで生活し、夫婦とも年金受給を70歳からに遅らせることで、なんと年金受給額は36万円にアップする。

 

「共働き夫婦も考え方は専業主婦と同じ。夫だけが70歳まで働くより、妻も働くことで、妻1人になったときの生活不安をより軽減できるのでがんばってください」

 

国民年金しかない自営業の夫婦の場合は「国民年金基金」に加入して、老後の年金を増やす方法を長尾さんは勧める。

 

そして、離婚や死別、親の介護やシングルのままなど、状況の変化の中でも、しっかり年金について考えておく必要がある。

 

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