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【中編】保育施設に、コールセンター…実際に働く人が語る「シニアの仕事」から続く

 

「超高齢社会の日本は、年金財政が悪化の一途をたどっています。60歳定年で65歳まで再雇用するシステムの会社は多いのですが、『65歳以降も働き続けたい、働き続けなければいけない』と考える人は多いのではないでしょうか」

 

こう語るのは、キャリア・アドバイザーの上田信一郎さん。人生100年時代、65歳以降の夫婦2人で暮らす歳月が「30年ある」ことを前提に生活設計する必要があるという。

 

そこで本誌は専門家の取材をもとに、65歳以降でも働き続けやすく、高齢でも採用されやすい仕事を紹介する。

 

■採用されやすいが激務の可能性も

 

<清掃員>

「あまり専門的知識は求められず、シニアや未経験者が活躍する一方、体力や健康が重視されます」(シニアジョブの中島康恵社長)。早朝や夜間の仕事もあるが、フルタイム勤務は逆に少ない傾向

 

■自分で仕事を見つけ出す

 

<マンションの管理人>

「シニアに人気ですが求人は少ない。仕事内容も自分から率先して動く積極性が必要」(中島社長)。人件費削減などで「夫婦住み込み型」は減り「数件の掛け持ち」が増えている

 

■非常事態に臨機応変さを求められる

 

<警備員>

「施設での警備がおもな仕事です。守衛室で待機して来訪者や監視カメラのチェック、定期的な巡回などがあります」(中島社長)。夜間や休日が中心の勤務シフトもあるという

 

■工事現場や施設、イベントなどの誘導の仕事

 

<交通誘導員>

「工事現場などでの誘導。寒暖や風雨の中でも作業があり、立ち仕事が多いため体力や健康面が重視されます」(中島社長)。警備会社に応募し、警備会社に雇用されて勤務する

 

■コロナの反動で人手不足に

 

<飲食店店員(ホール)>

「飲食関連の接客(ホール)は、小売業の接客に比べて衛生管理の面などで専門的になることも多い職種です」(中島社長)。コロナ禍で廃業した店舗が多くある半面、残った店舗では人手不足も発生

 

■女性のほうが就職に有利

 

<葬儀スタッフ>

「求人は多くありませんが、柔らかい対応が求められ女性が雇われるケースがあります。土日、祝日を問わない仕事で、アルバイトとしての採用が多いですね」(キャリア・アドバイザーの上田信一郎さん)

 

■ホテルや介護施設でも需要あり

 

<調理スタッフ>

「ホテルや旅館、医療機関、介護施設などの調理場の仕事。地方のリゾートホテルなどもあるため、住み込みも多いのが特徴です」(中島社長)。求められる料理の腕は店や施設によって千差万別だ

 

■経験者でないと難しい

 

<医療事務>

「病院でレセプト(診療報酬明細書)を処理する事務業務です。無資格でも問題ないですが、経験が重視される仕事です」(中島社長)。即戦力を求められるが、フルタイム勤務は月収22万円~の好条件

 

■郊外では運転免許が必須に

 

<検針員>

「電気、ガス、水道などのメーターを検針する仕事。家屋や集合住宅を回り、月の利用状況を検針します」(中島社長)。多くの住宅を回る必要があるため、「郊外の場合は運転免許が必要となります」

 

■資格保有が前提なことが多い

 

<経理職>

「求人は比較的ありますが、簿記の資格が採用の前提なことも。パートから始めて、数年後には重要な仕事を任されるというチャンスもあるでしょう」(上田さん)。有資格者や経験者はチャレンジを

 

■体力的にはキツくはない

 

<駐車場・駐輪場の管理員>

「料金徴収業務や、駐輪場なら自転車整理を行います。ほとんどは、地域のシルバー人材センターや、専門会社が受託しています」(上田さん)。キツい肉体労働ではないため、60~70代でも可能だ

 

■ひたすら歩くのが好きな人に

 

<ポスティング>

「住宅にDMやチラシを配る仕事で、特に必要な技能はありません。慣れていると迅速にできるので、経験があれば多少優遇されます。ある程度の体力は必要かもしれませんね」(中島社長)

 

■運転免許&体力が必要

 

<宅配スタッフ>

「コロナ禍で宅配の需要が増えました。自転車での宅配は高齢だと厳しいでしょう。自動車が前提となります」(上田さん)。出来高制の場合は収入の不確定要素が大きい。体力自慢や経験のある男性に

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