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「昨年来、食品の急激な値上げを実感します。そのなかでお菓子は数年前から価格は変えずに内容量を減らす“ステルス値上げ”がされてきました。子供も購入する商品であるため、価格を上げるのが難しい部分もあったのでしょう。しかし、もはや企業努力だけでは価格を維持することができなくなってきているようです」

 

こう語るのは、生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんだ。

 

チョコパイ(9月6日〜)などチョコレート類、ポテトチップス(9月1日〜)などスナック類、あずきバー(9月1日〜)など氷菓類と、値上げ商品は全方位的だ。

 

スーパーなどに並んでいるお菓子を集めると、その種類はのべ64にも及んだ。

 

「特に注目すべきは、9月5日に20円から23円に値上げしたチロルチョコと、今年4月に10円から12円に値上げしたうまい棒。チロルチョコは今の形になって以来29年ぶり、うまい棒は発売以来42年で初めての値上げです。値段のキリがよく、10円玉で購入できる商品の値上げは、メーカーにとって苦渋の決断だったのでは。お菓子業界の値上げの異常事態ともいえるでしょう」(柏木さん・以下同)

 

値上げの主要因は、原油価格高騰による物流・製造コストの増加、ウクライナ情勢の悪化などによる小麦や油脂の価格上昇、そこに1ドル約140円台も記録した急速な円安で、輸入コストが増大したことが追い打ちをかけた。

 

こうした背景のほかにも、お菓子類特有の事情が隠されているようだ。

 

「まず、お菓子の原材料に目を向けると、気になるのは小麦粉同様に、砂糖が急騰していること」

 

今年7月、昨年来4度目となる値上げで6%増になったばかり。

 

「原料の輸入コスト高騰、円安によって高値が続いている状態です」

 

チョコレート製品に欠かせないカカオも高騰。

 

各菓子メーカーが商品値上げの要因と挙げているのは、パーム油の高騰だ。

 

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