【解説】2022年値上げされた&されるお菓子
現在、ひまわり油の世界的な産地であるウクライナがロシアに侵攻され輸出が滞っている。そのため各国でひまわり油の代替品としてパーム油の需要が増加。
パーム油の産地であるインドネシアでは、じつに70%値上げされた製品もあるという報道も。
「チョコレート製品に欠かせないカカオも、数年前から産地の人手不足などにより、各国で供給不足の状態が続き値上がり傾向でした」
さらに直近ではカカオ産地であるガーナの天候不良、円安による輸入コスト増が重なった形だ。
原材料以外にも要因が。
「とくにお菓子は個包装が施される商品。石油化学製品である包装資材は、原油価格の影響が大きいといえます。また、9月の値上げには井村屋や赤城乳業などの氷菓の値上げも目立ちます。氷菓の場合は製造段階でも輸送段階でも冷凍処理が必要なので、コストが大きいのです」
こうした状況下、企業努力だけでは価格を維持できず、上半期に約10%、さらに9月以降に10%以上“再値上げ”する商品も。
「一度に20%以上値上げすると購買行動への影響が大きいので、段階的に値上げしたいメーカーの思いもあるのではないでしょうか」
つまり、一度値上げした商品が、再値上げしないとは限らないのだ。
「今後も容赦ない値上がり傾向は続きそうです。’21年の家計調査によると、お菓子の月の平均支出額は7,350円。お菓子の価格が平均13%増したという帝国データバンクの数値を基に計算すると、おやつ代は1カ月955円増。今後の値上げも考慮すれば、これまでよりも月1000円を超える出費増を覚悟すべきでしょう」
だからこそ、日々の対策も求められる。
「定価で買わずドラッグストアや量販店など安売りの店で買う、特売のときにまとめ買いする、安さが売りのPB商品などを利用するなどして、乗り切りましょう」
現実はスイーツのように甘くはないのだ。