1969年の放送開始から半世紀以上にわたって愛され続けている国民的アニメ『サザエさん』(フジテレビ系)。現在は日曜日の18時30分から放送されており、毎週リアルタイムで楽しんでいる人もいるだろう。
そんななか、Twitterでは“ある新発見”が話題を呼んでいる。本編放送中にデジタルテレビのリモコンにある「dボタン」を押すと、データ放送で原作漫画を読むことができるというのだ。
ニュースや天気予報などのお役立ち情報や、番組の関連情報が見られるデータ放送。『サザエさん』ではエンディングでお馴染みのじゃんけん勝負や、スタンプを集めてプレゼント応募もできる。
併せて、その日に放送された原作漫画を紹介しているのが「きょうのおはなし原作」だ。アニメのストーリー1話に対して複数の原作漫画から成り立っていることもあり、ファンにとっては嬉しい発見のようだ。Twitterでは「知らなかった」と感激の声が広がっている。
《そんな裏技が!?》
《これは大発見!毎週見てるから今度押してみよ》
《完全にアニメだけのオリジナル仕様かと思ったら今でも原作のエッセンスを大事にしてるのちょっと感動》
紙面の変更や休載などを挟みながら1946年から1974年まで連載された、長谷川町子さん(享年72)原作の4コマ漫画『サザエさん』。現在ではテレビアニメに慣れ親しむも、原作をほとんど読んだことがないという世代もいるだろう。
■原作紹介の背景にあったサザエさんとの“じゃんけん勝負”
いったいなぜ、データ放送で原作漫画が紹介されているのだろうか? そこで本誌がフジテレビに取材を申し込むと、2月4日に文書にて回答があった。
――データ放送で原作漫画が見られるようになったのはいつからですか?
「2018年10月7日(日)から連動データ放送を始めました。そのときから『きょうのおはなし原作』も見られるようになっています」
――原作漫画を公開した経緯や、思いを教えてください。
「もともとは2013年に開始した『めざましじゃんけん』というデータ放送連動企画の成功がきっかけで、“じゃんけんの元祖・サザエさんと視聴者の皆さまがじゃんけんをできるようにしたい”という思いから、レギュラー放送での『サザエさんとじゃんけん』を実現させたいと考えていました。
2016年の『27時間テレビ』では、“サザエさんとじゃんけん”企画が実現できたのですが、技術的な理由から、レギュラー放送での企画実施は困難となっていました。その後、それが解決し、2018年10月7日(日)からレギュラー放送での連動データ放送で“サザエさんとじゃんけん”ができるようになり、他にも視聴者の皆さまに楽しんでいただけるコンテンツを、という考えから『きょうのおはなし原作』も掲載することになりました」
「アニメ『サザエさん』で放送される一つのお話に対して、原作は必ずしも一つとは限らないというところも楽しんでいただければと考えています。アニメ『サザエさん』を制作している株式会社エイケンさんのご協力もあり、毎話の原作漫画をデータ放送でご紹介できていますので、感謝しております」
――このサービスは、どの放送エリアからも見ることができますか?
「全国FNS系列28局で、放送中にリモコンのdボタンを押すと見ることができます。また、テレビの機種によっては、データ放送の録画が可能とのことです」
――視聴者やTwitterでの反響をどのように受け止めていますか?
「これまでもデータ放送上での“サザエさんとじゃんけん”企画へは反響があったのですが、今回、『きょうのおはなし原作』に対して大きな反響をいただけたのには驚いています。視聴者の皆さまに喜んでいただけたことがうれしく、継続してきて良かったと感じています」
制作陣の“視聴者ファースト”な創意工夫が、国民的アニメとして愛され続ける秘訣なのだろう。