保護猫活動に1千万円寄付、ヘルパーに小遣い「認知症の親」の資産トラブルが急増
画像を見る 認知症の母が保護猫活動に1千万円の寄付が発覚したケースも

 

■母が保護猫活動に1千万円の寄付

 

50代団体職員「母は無類の猫好き。父亡きあと、独居となり、認知機能に衰えを感じながらも保護猫のNPO法人にボランティアとして関わっていました。80歳を超え、いよいよ認知症と診断され、施設に入るにあたり荷物を整理したところ、預貯金など総額1千万円をNPOに寄付するとした公正証書遺言が出てきて愕然としました。私と妹は2人ともシングルマザーで、経済的に豊かではなく、娘たちが困窮しているのによそに寄付をするとは到底思えず……」

 

北見さん「多額の寄付をするにあたり、独断というのは親子関係が希薄であったと想像されます。強引な寄付や勧誘に応じてしまう心理は、認知症の不安感もあったと思います。まず認知症が疑われたら早急に医療機関で診断を受けること。契約無効の争いになったとき、いつから認知症だったかも肝心になります。日ごろから親の話に耳を傾け、異変やサインを見逃さずに向き合っていくことが大事です」

 

■ヘルパーさんに大量のお小遣いを

 

60代専業主婦「一人暮らしの90代の母に認知症の症状が出ました。父とはすでに死別しており、母を介護付き老人ホームに入れることに。本人の年金と遺族厚生年金はそれなりにもらっていたので、金銭的には不安はありませんでした。現金預金も500万円ほどありましたし。

 

入居からおよそ5年で母は亡くなりましたが、なんと預金残高がほとんどなくなっていました。どうやら懇意にしていたヘルパーさんにお小遣いという名目で、お金を渡していたみたい。しかし、領収証などの証拠もなく、追及できませんでした」

 

北見さん「お母さまのさみしさが感じられます。話を聞いてくれるというだけで、モノやお金を渡してしまっていたのかもしれません。このように孤独につけ入る人も多いので老親の家に出入りしている人とはきちんと挨拶をすること。相手側に『うるさい家族がいるのだな』という認識を持たせれば、次の被害を回避できます」

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