■来年には値上げが予定されている
【フルサポートの保険か?】
「火災保険は大きく分けて『建物』と『家財』の2つがあります。保険料を安くしたいからと『建物』だけに加入した場合、家具や家電製品などは補償対象外。賃貸に住んでいる人は入居契約時に『建物』の火災保険にだけ加入している場合が多いので、追加で『家財』にも加入するとよいでしょう」
【補償範囲の「汚損・破損」に加入しているか?】
「火災保険では補償範囲をどこまでにするかを選ぶことができます。『汚損・破損』の補償も含めたフルサポートの契約にしておくことで、紹介したほとんどの補償を受けることが可能になります。なお家電製品の経年劣化による故障などは補償の対象外になりますので注意してください」
【どの特約をつけているか?】
「火災保険の特約は『臨時費用補償特約』『個人賠償責任特約』など、保険会社によって異なります。なかでも個人賠償責任特約は日常生活の事故によって、他人にケガをさせたり、他人のモノに損害を与え、法律上の損害賠償責任を負った場合に備えるもの。最近、事故が多く報告されている自転車事故による相手への補償のリスクを考えると加入をおすすめします」
【申請しないと受け取れない】
「水漏れやカギ開けなど緊急を要する場合はもちろんですが、補償を受けるにはまず保険会社に連絡をすることが必要になります。いざというとき、すぐに連絡ができるように保険会社の連絡先は必ずスマホに入れておくことです」
もし「汚損・破損」や必要な「特約」に加入していない、また新たに「家財」に契約したい人などは火災保険の見直しが必要になる。
「フルサポートの保険に加入し直す場合、保険会社によって保険料が異なるので、同じ条件の“相見積もり”が大切です。次の数社に見積もりし、いちばん安い保険商品を選んでください」
【長尾さんおすすめの主な火災保険】
<大手損害保険会社の火災保険>
・損保ジャパン「THE すまいの保険」
・東京海上日動「トータルアシスト住まいの保険」
・三井住友海上「GK すまいの保険」
<インターネット系の火災保険>
・ソニー損保「新ネット火災保険」
・楽天損保「ホームアシスト」
・セコム損保「セコム安心マイホーム保険」
火災保険料は、家の広さや築年数など、さまざまな条件を加味して算出されるため、見積もりをしてみよう。’24年に平均13%と大幅な保険料の値上がりが予定されている。見直すなら今年中がチャンスだ。