賢く冷凍保存を(写真:PIXTA) 画像を見る

トマト1個が321円(税込み、以下同)、小ねぎ1束が278円、長ねぎ1本が170円(イトーヨーカドーネットスーパー)。野菜が高すぎる。農林水産省によると、野菜の価格が安定していた’23年6月との比較で、トマトは約2倍、ねぎは約1.6倍、にんじんは約1.5倍と軒並み値上がりしている(’23年10月24日発表)。

 

原因は、今夏の猛暑で生育状況が悪かったことに加え、燃料や肥料などの高騰によるコストの上昇。また、アボカドやパプリカなどの輸入野菜は、円安の影響を受けての高騰だ。

 

高騰したとはいえ、セールや見切り品など安く売っていることもあるが、買いだめをしても食べ切れず、腐らせてしまうことも……。

 

「野菜の保存には、冷凍がおすすめです。冷凍なら鮮度や栄養価を長くキープできますから、おいしく食べ切ることができます」

 

そう話すのは料理研究家で食品ロス削減アドバイザーでもある島本美由紀さんだ。

 

「食品ロスは平均的な4人家族で年6万円にのぼり、無駄にする食品の1位は野菜です。野菜を上手に冷凍保存すれば、使いたいときに使いたい分だけ使えて節約につながります。また、凍ったまま使える野菜も多く、下ごしらえの時間が短縮できて楽ですよ。野菜が高い今、冷凍術を駆使して、お金にも時間にも余裕が生まれる“冷凍貯金”を始めましょう」(島本さん、以下同)

 

野菜を上手に冷凍するコツは?

 

「買ってきてすぐ、新鮮なうちに冷凍することです。冷蔵して鮮度が落ちる前に早く冷凍しましょう」

 

冷凍は丸ごと? それとも、切ってから?

 

「トマトはヘタを取らずに丸ごと冷凍もOKです。丸ごとだと切り口がないので水分などが失われにくく、3カ月間保存できます。ごぼうは保存袋に合わせて短く切りますが、棒状のまま冷凍します。調理する際は5分ほど室温におけば、包丁で普通に切れます。丸ごと冷凍は下準備が簡単なのでおすすめです。葉物や大根など切って冷凍した野菜は、凍ったまま炒め物や煮物に使えて便利です。この場合は1カ月を目安に使い切ってください」

 

買ってきた袋のままでもいい?

 

「冷凍用の保存袋を使ってください。冷凍やけなどが防げます。冷凍用保存袋に入れたら、できるだけ薄く平らに広げるのがポイントです。早く凍って鮮度が保てます。また、しっかり空気を抜くことで、霜が付きにくくなります」

 

保存期間が長くなると、霜が付きやすくなる気がするが……。

 

「少し使っては冷凍室に戻す、を繰り返すと、暖かい空気に触れる機会が多くなり、霜が付きやすくなります。冷凍用保存袋は1~2回で使い切れる量が入る小さめサイズを使うのも一案です。また、冷凍室を開ける時間が長いことも霜が付く原因です。冷凍用保存袋はブックエンドを利用するなどして冷凍室に立てて並べましょう。そのとき見やすい位置に、日付と食品名を書いておくと、目当ての食品が早く見つかり、冷凍庫を開ける時間が短くなります」

 

今は野菜が高い厳しい時期だが、冷凍術を身につけるよいタイミングともいえる。これからは冷凍術を賢く活用して、財布にやさしいラク家事を始めよう。

 

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