ゲリラ豪雨で気をつけたい「ベランダの劣化」床がフカフカは腐敗のサイン!
画像を見る 【リストあり】ベランダの危険チェックリスト

 

■腐敗の原因は床のひび割れ以外にも

 

木造住宅だけでなく、鉄筋コンクリートのマンションでもひび割れは注意が必要だ。特に地震のような自然災害が原因のひび割れは、被害の範囲をしっかり見極める必要があるという。

 

床を踏んだときにフカフカする部分がないかどうかも確認しよう。

 

「木造住宅に多いのですが、ベランダの床でフカフカする部分があれば、その部分はかなり腐敗が進んでいて危険。水が染み込んだ原因を探り、床の腐敗した部分を入れ替える作業が必要です」

 

掃き出し窓の窓枠(サッシ)周りに隙間がないかも確認してほしい。

 

サッシ周りには水が浸入しないよう、コーキングと呼ばれる防水加工が施されているが、こちらも素材の経年劣化が進むと、隙間ができ、そこから雨水が入り込む。

 

木造住宅の場合は内側の木材の腐敗原因となり、コンクリート建築の場合は、内側に染み込んだ水がコンクリートの内側からダメージを与えることがある。壁や天井の雨漏りにつながることも。

 

自分で防水テープを貼るなどの処置もできるが、あくまでもそれは応急処置。きちんと専門の業者に見てもらったほうが安心だ。

 

ベランダの手すり部分(=笠木)の継ぎ目や、ベランダの壁(=腰壁)と笠木の接続部から雨漏りが発生していれば、腰壁の内部が腐食している可能性がある。

 

「ここは腐敗がもっとも進みやすい箇所で、腰壁の腐敗からシロアリが発生することもあります。継ぎ目部分に隙間があって、そこからアリのような虫が出入りしていたら危険サインです。外壁を広範囲にわたって剥いで、腐敗の範囲を調べなければなりません」

 

ベランダの下の壁や天井のシミや変色もチェックしよう。2階以上にあるベランダは、階下から見えやすい。シミや変色が見えたら、雨漏りが進行していると考えられる。

 

このような異変を見つけたら、すぐに修繕したいが、かかる費用も気になるところだ。

 

「下地が腐っていなくて防水工事だけなら、10万~20万円ほど(床面積による)で済みますが、ベランダをすべて作り直すと100万~200万円もの工事費用がかかります」

 

実際に富田さんが見たケースで、「外壁塗装をお願いしたい」と依頼されてベランダを見たら、崩れ落ちそうなほど腐敗しており、結局、ベランダを丸ごと作り直したことがあるのだそう。

 

もしシロアリがいれば、外壁を剥がして被害の範囲を確認しなければならない。100万、200万円の費用では済まなくなる可能性もある。それだけに定期的なメンテナンスが非常に大切だ。木造住宅の場合は10~15年ごとに外壁の塗装が必要だといわれている。

 

一方、マンションのような鉄筋コンクリートの建物は、下地が腐るほどまで劣化することはないものの、真下の階の住人に被害を及ぼすリスクがあるという。

 

「たとえば、2階の天井で雨漏りしたら、その原因は多くの場合真上の3階で起こっています」

 

不要なご近所トラブルを避けるためにも、日ごろから、排水口の水はけ、床や壁、サッシ、手すりの亀裂やひび割れなど、定期的にチェックしておくのが賢明だろう。

 

そして、修繕するなら、安心できる業者を選びたい。

 

HPなどで正しい情報提供をしっかりしているか、無料で見積もりを出してくれるか、契約を急かさないか、工事後のアフターメンテナンスの対応や保証について、きちんと対応してくれるか、などを見るとよいのだそう。

 

長きにわたって安心して住むためにも、今一度、ベランダの雨漏りチェックをしてみよう。

【関連画像】

関連カテゴリー: