10月3日、Xで《新一万円札》が一時トレンド入りした。きっかけは同日放送の情報番組『グッド!モーニング』(テレビ朝日系)で、ある“新マナー”が取り上げられたことだった。
そのマナーとは「渋沢栄一は不貞を連想させるため、結婚式のご祝儀には福沢諭吉の旧札を使う」というもの。『グッド!モーニング』によると、式場探しサービスを行う会社による調査で、3割の人が新一万円札をご祝儀に使うのはマナー違反だと感じているという結果になったそうだ。
同番組は、ブライダル業界の「世の中の慣習にとらわれる必要はない」「違和感を覚えるものは取捨選択を」といった声を紹介するなど、このマナーに対する問題提起をして、コーナーを終えた。Xでは、放送を観た視聴者から疑問の声が続出している。
《お札の肖像画にマナーを見出すなんて心底くだらないな…今後渋沢栄一ばかりになるのにどうするんや》
《我々は今まさに嘘マナーが生まれる瞬間を目撃してる》
《アホみたいなマナー講師がまた新しいマナーを生み出したの?》
《意味不明なマナーに対しては「そんなものは無い」と一蹴していかないといけない 後で面倒な事になる 今回のなんか浸透したら面倒なことこの上ない》
この“新マナー”は誰か特定のマナー講師が言い始めたものではないという。
「新一万円札の顔となった渋沢栄一は女性好きで有名で、正式に結婚した妻は2人ですが、他にも妾がいて、婚外子も含めると子どもは少なくとも17人はいたという話があります。そうしたことから、『不貞を想起させるので、結婚式のご祝儀にはそぐわない』というようなことを言い始めるマナー講師がいるかも……と、SNSでネタとして投稿されたものが、あたかも事実かのように拡散されてしまったようです」(WEBメディア記者)
もともと、「ご祝儀には新札を包む」というマナーもある。両方のマナーを守るのであれば、わざわざ福澤諭吉が描かれた旧紙幣の新札を用意しなくてはならず、今後必ず無理が出てくるだろう。“謎マナー”にとらわれるよりも、祝福の気持ちをしっかりと込めて贈ることの方がよっぽど重要だろう。