■室内が荒らされていたら必ず被害の様子を写真に
また、火災保険の契約では加入者が被害の一定程度を自己負担する「免責」を設定することがある。免責が3万円だと、損害額から3万円を差し引いた額が補償されることになる。
「免責を設定すると、保険料が安く抑えられます。ただ、犯人にガラスを壊され、補修費に3万円かかったとき、免責が3万円だと保険金は出ません。せっかく保険料を払っているのに、いざというとき保険料が出ないことが私はイヤなんです。だから私は、サポート範囲が広い火災保険に免責0で加入しています」
実際に盗難被害に遭ったら、どうすればいいのだろう。
「まずは、警察に連絡しましょう」
現金をいくら、何をられたかなどを伝え、被害届を出す。
また、クレジットカードや預金通帳なども盗まれていたら、できるだけ早くカード会社などに連絡し、利用を止めよう。
「室内が荒らされていたら、とにかく早く片づけたいと思う気持ちはわかります。ですが、片づける前に必ず、被害の様子を写真に撮っておいてください」
割られたガラス窓や壊されたドア鍵など補修が必要な場所や、荒らされた室内、貴重品の保管場所が物色された様子など、保険会社に説明する際、被害状況の証拠になるという。
「保険会社に連絡するときは、警察で発行された『受理番号』が必要です。保険証券も手元に置いて連絡するといいでしょう。
その後、保険会社は被害額の見積もりなどを行います。保険会社の指示に従って、必要な書類などを用意してください」
よく問題になるのは、盗まれたものの品名や価値など詳細がわからないことや、本当に所有していたという証明ができないことだという。
「貴金属や絵画、高級時計など高価なものを持っている人はあらかじめ『貴重品リスト』を作成しておくといいでしょう。保証書などの保管も忘れずに」
とはいえ、先述のとおり火災保険には現金などは20万円までなどと補償の限界がある。火災保険でカバーしきれない被害はあきらめるしかないのだろうか。
「全額取り戻すことはできませんが、盗難などの被害に遭ったら、確定申告で『雑損控除』を申告しましょう。税金を抑えることができる場合もあります」
盗難に遭うなんて誰しも想像すらしたくはないが、備えは大切だ。これをきっかけに、火災保険の補償を見直してみよう。
