《なぜ人気》モンチッチ誕生から半世紀で3度めのブームが過熱…メーカー社長が語る“知られざる歴史”
画像を見る 「株式会社セキグチ」社長の吉野壽高氏とモンチッチちゃん(写真:本誌写真部)

 

■結婚、ベビー誕生、CEO就任と波瀾万丈

 

ごっこ遊びができる小さな家具や着せ替え衣装も作られ、テレビCMやレコードデビューを果たすなどして、国内では一躍有名になった。発売の翌年には、オーストリアに輸出するなど、いち早く海外進出を果たし、ヨーロッパやアメリカでも人気に。

 

ところが、ブームが一段落すると、フランスを残して’85年から生産と販売を休止することに。しかし、ドイツの代理店から「もう一度モンチッチを売ってくれないか」と、熱心なお誘いを受けて’96年に再販することになる。

 

「じつはモンチッチブームは3度あり、1度目は’74年の発売時。

 

2度目のブームは、’02年に私が社長に就任した後。30周年の’04年に向けてインパクトのある企画を社内で募ったところ、ある社員が『モンチッチが結婚して、家庭を築く家族化計画はどうでしょう?』と、立案したのです。『きょうだいではなかったの?』という意見もあったのですが、斬新なアイデアだったので採用しました。

 

’04年に千葉・舞浜のシェラトンホテルで結婚式を行い、10カ月後に双子の『ベビチッチ』が生まれると、これが話題を呼び、今は韓国でヒットしています」

 

以後、モンチッチは、既成概念にとらわれない形で、幅広い活動を展開するようになる。

 

’10年にはエアギター日本大会でまさかの準優勝を果たしたほかにも、’12年には葛飾区の魅力を紹介する、葛飾区観光協会の広報課長に就任。

 

映画『男はつらいよ』の寅さんに扮した「寅チッチ」を発売するなど、さまざまなコラボモンチッチも増えていった。

 

さらに、50周年企画として、’23年に地域おこしを支援する「株式会社モンチッチ」を設立して、モンチッチはCEOに就任。東京・浅草でのスタンプラリーや山形県の花笠まつりに参加するなど、地域を盛り上げている。

 

「’74年当時、子どもだった人が大人になって今度はご自身のお子さんと一緒にモンチッチと遊び、またそのお子さんが大人になって子どもと遊ぶ、というように、三世代で遊んでくださる方もいます。

 

持ち主さんは自分のモンチッチに名前をつけているケースも多く、ぬいぐるみと写真を撮る“ぬい撮り”もさかんで、家族の一員のような感覚で、いつまでもかわいがってくれます」

 

今後は、キャラクターとしてよりバラエティに富んだコラボを展開していきたいという。懐かしくも新しい、モンチッチのさらなる活躍から目が離せない!

 

画像ページ >【写真あり】1974~78年に制作されたブルーアイが特徴の初代モンチッチは希少(他2枚)

【関連画像】

関連カテゴリー: