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初夏を代表する野菜の1つ、そら豆。その名の由来は、空に向かって豆がなるから。人類最古の作物ともいわれるそら豆は、天の恩恵を存分に受けた“恵みの豆”。食べるだけで元気が出る天然のバランス栄養食だという。

 

「特筆すべきはビタミンB1、ビタミンB2が多量に含まれていることです。そら豆はエネルギー源となるタンパク質、糖質が豊富ですが、同時に炭水化物のエネルギー代謝に必要なビタミンB1、脂質やタンパク質をエネルギーに変えるビタミンB2のほか、アミノ酸の一種であるアスパラギン酸も多く含まれるため、疲労回復効果がとても高いんです」

 

こう語るのは、女子栄養大学栄養クリニックの管理栄養士、森さやかさん。そのほか、そら豆には美肌、美髪、生活習慣病、貧血予防、便秘解消の効果があるそう。そこで、おいしさと栄養を余すところなくいただくための、そら豆の基礎知識を紹介!

 

【1】いいそら豆の選び方

 

さやの緑色が濃く、ハリとつやがあり、中の豆の大きさがそろっているものを選ぼう。さやの背筋の色が緑色でつやのあるものは鮮度がいい。さやに茶色い部分があったり、背筋が黒褐色のものは、収穫から時間がたっていて鮮度が落ちている。

 

【2】上手なそら豆のむき方

 

1.背筋に爪を入れて、背筋を裂く。2.裂け目を両手の親指で広げ、豆を取り出す。3.ゆで上がった豆の薄皮を背の中央部分から裂く。4.豆を押し出す。

 

【3】「薄皮」も食べられます!

 

薄皮には食物繊維がたっぷりなので、捨てるのはもったいない。若い豆の薄皮は軟らかいけれど、成長が進んだそら豆は硬くなるので、食べる場合は煮るなどして軟らかくし、よくかもう。腸の働きが改善され、便秘解消にも!

 

【4】そら豆の重さの目安は……

 

レシピがグラム表示だと、何粒用意すればいいのかわからない……というあなたのために、目安を紹介。さや付きそら豆10本で500g前後。皮を除いた可食部は約25%なので、うち子実は約125g。1本のさやに平均3粒と考えると、1粒平均、約4.2g。

 

【5】保存はあまりきかないので、できるだけ早く食べよう!

 

そら豆は、豆類の中でも特に鮮度が落ちやすい。「おいしく食べられるのは3日」といわれるほど、鮮度が命なので、買ってきたら早めに調理して。すぐに調理ができない場合は、乾燥を防ぐためにポリ袋に入れて冷蔵庫で保存し、3日以内に食べよう。さらに保存する場合は冷凍も可能。生のまま冷凍すると、解凍したときに水分が流れ出て味や食感が変化してしまう。さやから出し、薄皮をつけたまま硬めにゆでて、密閉袋で保存しよう。また、さやから取り出した状態で売られているものは、店頭に並んだときにはすでに劣化が始まっていると考えるべき。できるだけ、さやつきを購入しよう!

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