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「30日間、1度も食欲を感じることがなく、むしろ七分、八分食べたときの満足感がずっと続きました」

 

俳優の榎木孝明(59)が5月20日から30日間、水分しか取らない「不食」をすると宣言、やり終えたことに世間が驚愕したのは記憶に新しい。「食」生活に戻ってから14日目に、記者は話を聞いた。

 

「体重は80.5キロから10キロほど落ち、その後、横ばいに、最後の10日はほとんど痩せなくなりました」

 

そもそも榎木が不食に至った動機はなんだったのか。

 

「人間が本来持って生まれたであろう能力は、社会の中で常識をいっぱい身につけることで、減退しているのではないかと考えていました。今回はたまたまその表現が不食だったということ」

 

空腹を意識でコントロールできるかに興味を持ち、それを追求するため、そこで「いまから30日間食べないことを始めます」と宣言することで、空腹感を意識から“除外”したという。ベテラン俳優の前代未聞の試みには賛否両論も寄せられたが……。

 

「私は『食べるな』と言っているのではありません。食べすぎる弊害を体が訴えていることもあると思います。そんな体の声を聞くことで、時間になったから食べなければ、という固定観念から開放されるのではないでしょうか」

 

では、30日の間、具体的にどんな反応が出たのか?

 

「20日以上食べないと脳に悪影響が出るという意見もありましたが、逆でしたね。頭が非常にクリアになり、本を読むのが速くなり、睡眠時間が短くても全然眠気を感じなくなりました。あと、宿便といえそうな排便が3回ありました」

 

その間も、通常通りドラマの撮影や旅番組のロケに行ったりしていたが、体力的には食べているときより持続力があったという。30日間の不食を成し遂げた後は?

 

「不食中は、腰痛持ちだった私がその痛みを全然感じませんでした。不食明けの1週間後、痛みが出てきたんです。また不食の最中に、いつも通っている整体の先生に、お腹の筋肉が『凝りのないやわらかい最高の状態になっています』と言われましたが、不食をやめてからはまた硬くなり、足のむくみも復活してしまいました」

 

食べなければ死ぬというのは常識だが、それは思い込みでしかなく、常識という枠を外してみることで、人生が豊かになると榎木は語る。

 

「30日の実践で自分なりに悟ったことも多いのですが、他人に勧めるつもりはありません。ただ、食とは何かの本質を考え直すヒントにしていただけたら、とは思います」

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