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「高齢化が進んだことによって、認知症患者の数はものすごい勢いで増えています。現在、予備軍も含めて、その数なんと800万人。今後さらに増えていく可能性はもちろん高いため、脳の研究においてもその予防や治療は、重要なテーマとなっています」

 

そう語るのは、東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授。のべ16万人ものMRI(脳画像)を見てきた脳医学者で、新刊『生涯健康脳』(ソレイユ出版)が注目を集めている、脳と加齢のエキスパートだ。加齢は認知症発症の最大のリスクだが、心がけ次第で予防も可能!そこで瀧先生監修のもと、二択クイズを作成!あなたの生活で「どっち」に当てはまるかで答えてみて!

 

【Q1】食べるなら「ごはん」と「菓子パン」、どっち?

 

【A1】ごはん。「私たちの研究では、朝食でごはんを食べている子どものほうが、菓子パンを食べている子どもより、言語の働きを担う脳の『前頭前野』という領域の『灰白質(神経細胞が集まる部分)』の面積が大きいことがわかりました。ここが大きいほど、その部分が担う能力が高くなります。さらに玄米なら、米ぬかに含まれるフェルラ酸が認知機能を改善するため、よりおすすめです」

 

【Q2】食事は「野菜中心」と「「肉中心」、どっち?

 

【A2】野菜中心。アメリカの調査では、肉ばかり食べている人はベジタリアンの2倍、認知症になりやすいことがわかっている。肉を加熱調理することで発生する活性酸素が老化を促進することや、カロリー過多になることが、その原因だ。

「とくに中年期(40〜50代)の肥満はその後の認知症のリスクを上昇させ、なかでも内臓脂肪型の肥満は要注意。この世代の方は、高カロリーな肉中心の食生活よりも、野菜をしっかり取るよう心がけましょう。野菜に含まれるポリフェノールは、認知症予防にも効果的です」

 

【Q3】お酒は「毎日赤ワイン」と「まったく飲まない」、どっち?

 

【A3】まったく飲まない。「赤ワインのポリフェノールが注目されていますが、日本人の約半数は生まれつきアルコール分解酵素の働きが弱いか、欠けています。生まれつき飲めない方は、アルコールで脳の萎縮が進行しますので、ポリフェノールはお酒以外で摂取したほうが効果的。飲める方も飲酒は適量を心がけましょう」

 

【Q4】飲むなら「緑茶」と「紅茶」、どっち?

 

【A4】緑茶。同じ茶葉でも、紅茶より緑茶をよく飲む人のほうが、認知症になりにくいという研究結果があるが、これは、緑茶に含まれるカテキン量が、紅茶の4倍量にのぼることと関係しているという。

「カテキンは、アルツハイマー病の原因物質であるアミロイドβが脳に溜まるのを抑制するのではないかといわれています。緑茶をよく飲む人は和食派であることから、洋食派の人より摂取カロリーが控えめであることとも、関係しているかもしれません」

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