頭痛、首の痛み、肩凝り、五十肩、腰痛、めまいなど、体の慢性的な痛みや不調に悩んでいる人は多いだろう。ドクターショッピングを繰り返すも原因はわからず、整体やマッサージに行き、一時は良くなってもまたぶり返してしまう。痛みのせいで日常が灰色になり、下手したら心を病んでしまうこともある。
そんな深刻な悩みを解決する「アゴトレ」という言葉をご存知だろうか。しかも痛みが消えるだけでなく、見た目も劇的に変わるというのだ。元Jリーガーでメディカルトレーナーの伊藤和磨氏が提唱する「アゴトレ」のポイントをまとめた。
アゴトレは、痛みがある人にこそやってもらいたいリハビリテーションだ。場所を問わず、自宅でも簡単にできる。
現代人は、パソコン画面を凝視する長時間のデスクワークをしているだけでなく、日常的にスマホの小さな液晶画面を覗き込んでいるため、多くの人が、首全体が丸まり、頭が前に突き出て、アゴが上がった姿勢になっている。この姿勢が、頭痛、首の痛み、肩凝り、五十肩、腰痛、めまいなど、さまざまな痛みや不調を引き起こす。
これを防ぐために、まずやってもらいたいのが、アゴを引くこと、アゴの位置を整えることだ。
片手の人差し指を立てて胸骨の上に置き、指先をアゴに当てて軽く押す(シーのポーズ)。指先よりもアゴが前に出ないように、指でアゴ先を押して首の後ろを伸ばすだけで、正しい姿勢になる。
これだけで、次の4つの効果が期待できる。
【1. 痛みが消える】
頭が前に出て、アゴが上がると、本来、体全体で支えなくてはならない、体重の8%以上もある頭の重さを、首の筋肉と靭帯・椎間板だけで支えることになる。これが慢性的な首・肩の痛みや全身の不調の原因となる。
首の関節の変形が進行した人の中には、自律神経失調症やパニック症状、抑うつ状態になってしまうケースも多くある。
そこで、先ほどの「シーのポーズ」をとると、正しい姿勢になり、頭の重さを体全体で支えることができるようになり、首にかかっている負担が軽くなる。長時間のスマホ使用とデスクワークが日常になっている人は、ぜひ、このシーのポーズを習慣にしてほしい。
【2. 姿勢が良くなる】
実は、アゴの位置と腰の位置は連動している。アゴが前に出ると、骨盤が後ろに傾いて腰が丸まってしまう。逆に、アゴを引くと、骨盤が前傾し、腰が穏やかに反る。腰が穏やかに反れば、背骨が理想的なカーブにセットされ、美しい姿勢になる。
つまり、アゴを引くことで、痛みが消えるだけでなく、自動的に美しい姿勢になるのだ。アゴが前に出る=腰が丸まれば、猫背になり、首や肩の凝り、腰痛などを患いやすくなるのは言うまでもない。
【3. 表情が変わる】
慢性的な痛みは人の表情を暗くする。痛みは人の精神を蝕むからだ。逆に痛みが消えると表情が明るくなる。伊藤氏は、これまでの15年間、多くの患者さんをサポートしてきた中で、痛みが消えていくにつれて、表情が劇的に変わるのを何度となく目の当たりにしてきたそうだ。
【4. 佇まいが美しくなる】
アゴを引くことで、痛みが消えて表情が変わり、姿勢がよくなる。そうすると、佇まいが変わる。まるで別人かと思うくらい美しく見えるようになる。男性なら堂々としてとても魅力的に見える。見た目が変われば、仕事も日常も、そして人生も変わることは間違いないはずだ。
ここで紹介した「シーのポーズ」は「アゴトレ」の一つに過ぎない。これ以外にも、日常の中でできる、さまざまな「アゴトレ」のエクササイズを、DVD付きで詳しく解説した本書をぜひご覧いただきたい。
『頭痛・めまい、首・肩の痛みを動かしながら治す アゴトレ』
著者:伊藤和磨
価格:1,400円+税
仕様:単行本/ソフトカバー/136ページ/DVD付き
出版社:光文社
発売日:2017年5月15日(月)
http://amzn.asia/0hRxtlm