今、新機能を携えた調理家電が大ブームとなっている。なかでもヘルシーな食生活をサポートする新商品の人気が高い。その背景を家電コンシェルジュの神原サリーさんは次のように解説する。
「単一機能のものはすぐに飽きて使われなくなり、死蔵家電と呼ばれることもあります。ですから多機能のものを選択するのが主流でした。しかし、震災以降は、家族で食事を楽しみたいという風潮が高まり、簡単に食卓の気分も盛り上げてくれる“新鮮味のある”調理家電が注目を集めています。それにヘルシー志向が加わった状態です」
この夏、調理家電のいちばんのヒットとなっているのが『ドール ヨナナスメーカー』。バナナやパイナップルなどの販売で有名なドールが、新しいフルーツの食べ方として提案している。
「ヨナナスは凍らせたバナナとフルーツを使った新食感のデザートマシンです。アイスクリームともシャーベットとも違うクリーミィな食感がおいしいんです。砂糖や生クリームを加えず果物の甘みだけでいただくので、低カロリーでヘルシーなのも魅力です」
果物が安売りされているときに多めに買っておき、すぐに冷凍をしておけば、食材を悪くすることもなく、お財布にもやさしい。使う果物を替えれば、レシピが無限大に広がるのも魅力のひとつだ。
「調理家電ブームの先駆けとなったのが、ノンフライヤーです。最初に発売されたフィリップス社製のものは、シンプルなデザインでカラーがブラックだったこともあって、最初は男性からの支持が高かったんですよ」
ノンフライヤーは、揚げ油を使わずに熱と空気を循環させるだけで揚げ物をからりと調理することができる。肉に含まれている脂が内側から染み出てくるので、パサついた印象はまったくない。揚げ油を使っていないとは思えないおいしさで、カロリーは激減。ノンフライヤーを使えばメタボリックシンドロームが気になる人でも、罪悪感なく空揚げやとんカツを楽しむことができる。
自宅で簡単に炭酸水が作れるとして大ブレイクしたソーダマシン。現在は、各社からそれぞれ特徴のある商品が発売されている。
「わが家もソーダマシンを愛用しています。もちろん食事も気をつけていたのですが、夫は晩酌のお酒を炭酸水に替えたことで数キロ痩せたんですよ。飲むだけではなく、洗顔などの美容目的でも使えますし、おすすめは調理に使うこと。下ごしらえに使うと肉がやわらかくなるなどの効果があります」
水道水から簡単に炭酸水ができるので、ペットボトルを購入するよりはるかに経済的。フレーバーやオリジナルレシピも豊富で、1台でいろいろな味を楽しむことができる。
これから秋にかけて、まだまだ新しい調理家電の発売が続く。ブームの行方から目が離せない!