「女性の体はデリケートで、寒暖の差、気象や環境の変化によって不調を抱えやすい。病院に行っても改善がみられず、不調のまま何年も過ごしている人も多く、私もその一人でした。そのような体調不良は、栄養の不足が原因かもしれません。薬に頼る前に、一度食事を見直してみることをおすすめします」
そうアドバイスするのは栄養コンサルタントの杉山明美さん。杉山さんはソウルオリンピックに出場した経歴を持つ元バレーボール選手だが、現役時代は食欲不振や不眠、鉄欠乏性貧血などの体調不良に悩まされたという。
「現役を引退後はさらに体調が悪化して寝込んでしまうほどでしたが、友人のすすめで血液検査を受けると、栄養バランスの乱れが不調の原因だということがわかりました。そこで、栄養について正しく理解しようと分子整合栄養学を学びました。同時に、栄養の取り方を自分に合った方法に変えてみたところ、貧血や食欲不振などの症状が1つずつ消えていきました」(杉山さん・以下同)
体の不調を感じたとき、栄養を取ろうと選ぶ食材には、じつは間違った思い込みも多いという。そこで、クイズ形式で勘違いしがちな食材選びを見直し。“女性の悩み”に効く食材はどっち?
【Q1】まぶたがけいれんするときに食べるとよいのは? ごま or ブルーベリー
正解は、ごま。ブルーベリーは疲れ目に効くアントシアニンが入っているので、目にはいいが、まぶたがけいれんするのはストレスでマグネシウムやカルシウムが不足している証拠。牛乳の12倍のカルシウム、36倍のマグネシウムが含まれミネラルの宝庫のごまを食べるとけいれんが治まる。
【Q2】きれいな髪を保つには? ワカメ or 卵
正解は、卵。髪の主成分はタンパク質の一種のケラチンで、システインというアミノ酸から作られる。システインが不足すると抜け毛や切れ毛などが起こる。システインを増やすためには、卵や肉、魚などを食べること。これらに含まれるメチオニンがシステインを増やす。
【Q3】日焼けによるシミやシワを予防するには? きゅうり or トマト
正解は、トマト。紫外線が強い季節になると、シミやシワ、赤みが気になってくる。日焼け止めでケアするのはもちろん、トマトを食べることで肌を守ってくれる。トマトには熱に強く抗酸化作用があるリコピンが含まれ、日焼けによるシミ、シワ、赤みを軽減してくれる。
【Q4】疲れ目に効くのは? サケ缶 or サバ缶
正解は、サケ缶。人気のサバ缶には血液をサラサラにするEPAや脳神経を活性化させるDHAが豊富に含まれているが、目のピント調整をスムーズにして疲れ目を軽減するのはアスタキサンチンという成分。エビ、カニ、サケなど赤色の魚介類に含まれているのでサケ缶がおすすめ。
【Q5】汗をかいたときに飲むのは? スポーツドリンク or 麦茶
正解は、麦茶。運動時に水分とともにビタミン、ミネラルを補うスポーツドリンクには運動中のエネルギーを補うため糖質が多く含まれているものも。運動をしないときに飲むとエネルギー過多になり、太ってしまうことも。ふだんの生活で水分を補うのはミネラル入りの麦茶がベスト。
クイズのように、思い込んでいる常識がじつは的外れなこともある。暑い夏こそしっかり食べて、美と健康を維持しよう。