「息子が生後2カ月半を迎えたある日、いくら抱っこしても歌ってもぐずって寝付かず、気づけば6時間がたっていました……。そんな日がしばらく続いたため、医学論文をひたすら読んだり、夜泣きやぐずりに悩む親御さんの話を聞くなどして、赤ちゃんのための睡眠法について徹底的に研究しました。それをもとにして作った“快眠メソッド”を実践したところ、息子はたった3日で“即寝体質”に変わったんです」
そう話すのは、『医師が教える赤ちゃん快眠メソッド』(ダイヤモンド社)を執筆した、「小児睡眠コンサルタント」を務める医師の森田麻里子さん。
「このメソッドは、どんな赤ちゃんにも効果が期待できる普遍的な方法を追求しています。その多くは、寝付きの悪さや、寝苦しさなどに悩む大人にも応用できるもの。そのうえ、今日からできることばかりです」
寝付けなくて布団の中でゴロゴロしていたら時間がたっていた、少しの物音で起きてしまう……そんな悩みを持つ人は多いはず。
今回本誌は、森田さんが編み出した快眠メソッドの中から、“すぐ眠れる”“すごく眠れる”ようになるという「寝室環境の整え方」を教えてもらった。
【1】部屋は真っ暗にする
「いちばん大切なのは、遮光すること。常夜灯やナイトライトは消し、空気清浄機やエアコンなど、家電から漏れる光がまぶしいときはテープなどで隠してしまいましょう」(森田さん・以下同)
【2】暖房の設定温度は18〜20度に
「アメリカ国立睡眠財団がすすめる、心地よい室内の温度とされています。暖房を使うと部屋が乾燥するので、加湿器などを使って50〜60%に湿度を保つのがベスト」
【3】枕のまわりはスッキリさせる
「スマホをアラームの代わりにしている人も、できれば枕元から離れたところに置くのがよいですね。近くにあると不意に画面が明るくなったりして、光を浴びる原因になってしまいます」
【4】「重い布団」「靴下」はNG
「冬でも寝ている間に汗をかきます。重い布団をかぶったり、靴下をはいたりして寝ると、熱がこもる原因になり、快眠を妨げてしまいます」
【5】空気清浄機で“雑音”を作る
「空気清浄機や換気扇から出るざわざわした雑音は、物音を遮り、かえって寝やすい環境を作ります。『ホワイトノイズ』と検索すると、スマホから雑音を流してくれるアプリもリリースされています」
【6】寝室のテレビは就寝の1時間前には消す
「寝る前にまぶしい光を浴びると、眠気を作り出すホルモン『メラトニン』の分泌が遅れてしまいます。テレビはなるべく明るいリビングで見るのがいいかも」
メラトニンをきちんと脳内に分泌させるには、朝のスタートも重要だという。
「メラトニンは、薄暗くなる夕方を経て、夜に分泌されるもの。そのために、できるだけ決まった時間に起床し、朝にたくさんの日光を浴びることが必須です。くもりや雨の日でも日光は十分強力ですから、起床したらまずはカーテンを開けて、日の光を浴びましょう。寝室に窓がないときは、明るい照明をつけるだけでも効果があります。
さっそく実践して、ぐっすり眠れる“催眠寝室”を手に入れよう。
「女性自身」2020年2月25日号 掲載