終わりの見えないコロナ禍で、ガイドブックのパイオニア『地球の歩き方』も存続の危機では!? そんな心配の声などどこ吹く風と、新しい「家で読んで楽しめる」図鑑シリーズが続々と重版を決めているそうだ。
この大ヒット企画のきっかけを、編集部に教えてもらった。
「“旅の図鑑”シリーズ第一弾は『世界244の国と地域』で、もともと東京五輪の開会式の選手入場や競技を見ながら楽しんでもらえたらと思って手がけたんです。コロナきっかけではなかったのですが、折しも旅行に行けない状況と重なり好評いただきました。また『地球の歩き方』初の世界を包括した本ということでも注目いただけたようですね」
現在、同シリーズは10タイトルを数える。
「いちばん売れているのが『世界のグルメ図鑑』で、複数回の重版がかかる初めての事態となっています。実は42年前の創刊当時から今に至るまで『地球の歩き方』を手がけるベテランスタッフもいるんです。そうした当編集部ならではの情報の蓄積があったからこそ実現できたと思うので、シリーズを通して旅行気分を楽しんでもらえたらうれしいですね」
そんな、『地球の歩き方』厳選のすごい珍景を紹介!
■巨像編
【インド】統一の像
世界一の高さを誇る全長240メートル(台座含め)の巨像は、足の指だけでも大人の背丈ほどという規格外ぶり。インド独立の英雄であるヴァッラブバーイー・パテールという政治家がモデル。
【インド】ジャターユ・アース・センター 鳥の彫刻
広大な敷地の自然公園の中に2018年に造られた像で、古代インドの大長編叙事詩『ラーマーヤナ』に登場する鳥の王がモチーフ。高さ約21×幅約61メートルと、鳥の像としては世界最大だ。
【イギリス】ケルピー像
スコットランドの「人間を水辺におびき寄せて溺れさせる」という伝承をもとに造られた世界最大の馬の像。うつむいているほうがデューク、天を仰いでいるほうがバロンという名前。
■奇岩編
【アメリカ】フライガイザー
開発を2度試みられるがいずれも目的にかなわず放置されていた土地から、あるときお湯が噴出! 約93度の熱泉と鉱物粒子によって形作られており、今も変化し続けている。
【アルジェリア】タッシリナジェール
7万平方キロメートルを超える巨大な砂漠と岩の大地には、まるでハリネズミとゾウのようなかわいい岩が。彫刻作品のような造形だが、風化浸食によって生み出されたもの。自然の偉大さを実感できる場所。
【イギリス】ブリムハムロックス
砂岩層が浸食されてできた奇岩が多数点在するエリア。その中でも一番人気なのが写真の「アイドル」という岩だ。200トンの巨岩を小さな岩柱が支える奇跡のバランスにびっくり!
■激○メシ編
【インド】グラブジャムン(激甘)
「世界一甘いお菓子」として有名。ボール型のドーナツのようなものを非常に甘〜いシロップに漬け込んで作られる。カレーの辛さもこれで相殺できるはず!?
【ブータン】エマダツィ(激辛)
唐辛子をたっぷりのチーズで煮込んだ料理。「みんながいちばん好きな野菜」が唐辛子だというブータンの食文化がよくわかる、唐辛子が主役の激辛メニューだ。
【アイスランド】ハカール(激臭)
島国のため海産物を使った料理も多数あるアイスランド。このハカールは発酵させたサメ肉を乾燥させて作られる珍味で、超強烈なアンモニア臭に驚くはず!