「今年こそ貯めるぞ、と誓ったはずだったのに……」
年の瀬が近づくと、そう肩を落とす人が多い。
「貯蓄できないと悩む人の多くは、じつは『お金と向き合う』重要性はわかっているのです。貯蓄術などにも興味があり、お金の知識を持っていても、忙しい日々のなかで、知識の整理や行動への結び付けができていないのが問題です」
そう語るのはマネーコンサルタントの頼藤太希さんだ。「お金を貯めなきゃ」という前のめりな気持ちはあっても、どこから手を付けたらいいのか悩み、動き出せない人が多いという。
「やみくもに高い目標を立て、貯蓄名人のマネをしようとしても、なかなかうまくいきません。というのも、人それぞれ収入や資産などが違うからです。収入が少ない人にはそれに応じた貯め方がありますし、運用できる資金が増えてくれば、そのお金を増やすための選択肢も増えてきます。無理なガマンをせず、できるだけ効率的にお金を貯めるには、収入や資産に応じた正しいやり方があるのです」(頼藤さん・以下同)
効果的にお金を貯め、そして増やす方法を教えてもらおう。
■年収200万円〜の妻の場合
収入が多い人、それに節約して手元資金が貯まってきた人は、「運用してお金に働いてもらう」ことを考えたい。
【細かいお金はコツコツと1株投資】
株は原則、単元株という100株単位で売買されるが、最近は「1株投資」も可能に。1株1,000円の株なら、以前は100株分10万円必要だったが、今では1株1,000円で購入できる。まずは少額から投資に挑戦して。
「『株で大もうけ』を狙うのではなく、少額投資から始めましょう。株は単元株といって100株単位での売買が基本ですが、いまは『1株投資』も可能です」
1株投資なら元手資金も少なく、挑戦しやすい。
「1株だと数百円から数千円で買えるものがほとんど。投資には株価暴落などの不安がつきものですが、数百円から数千円ならあまり気にならないでしょう。少額から投資を体感して、コツコツと増やしていってください。1株でも配当がもらえたり、株主優待がつくものもあります」
【狙い目は生活費の足しになる株主優待】
株主優待は、企業が株主に自社商品などをプレゼントする仕組み。業績に応じて株主に配られる配当とともに、株式投資で得られる利益の一部として注目される。
「株主優待を贈る企業は増えていますから、いつ何を、どれくらいもらえるかを調べてみては」
株主優待でふだん使っている日用品などがもらえれば、その分生活費が節約できる。また、よく利用するスーパーや外食店などの割引券、商品券なども家計を助けてくれる。株主優待株は、節約につながるものがポイントだ。
投資ははじめてという読者も多いと思うが、おすすめなのはネット証券やスマホ証券だという。
「ネット証券は手数料の安さがメリットです。手数料が高いと運用で得た利益が削られてしまいますから。最近はスマホ専用のスマホ証券もあり、商品数などを絞って展開していますから、初心者には使いやすいでしょう」
【つみたてNISAで「20年後の100万円」を】
そして、こちらもまだはじめていない人が意外と多いNISA。
つみたてNISAは年間40万円までで最長20年間のつみたて投資。運用益が非課税で手数料も安いので投資の初心者向き。
「非課税期間が5年の一般NISAもありますが、つみたてNISAがおすすめです。つみたてNISAは最長20年と投資期間が長く、金融庁の基準を満たした手数料の安い投資信託がそろっているので安心です」
つみたてNISAで20年間月3,000円ずつ投資して、利回り3%程度で運用すれば、20年後には約100万円になる計算だ。
「その間の運用益は非課税ですから、お得にお金が増やせます」