日本中で猛威を振るうオミクロン株。感染拡大とともに“自宅療養”を強いられる人が急増している。厚生労働省によると、1月26日時点で全国の自宅療養者数は26万4,859人。コロナの療養者(約41万人)の半数を超える人が、自宅療養を強いられている状況だ。
自宅療養期間は、症状のある人の場合は、発症日から10日間経過し、かつ、症状軽快後72時間経過すると解除される。
「自宅療養者が増えることにより、同居する家族も感染してしまうケースが増えています」
こう警鐘を鳴らすのは、日本感染症学会専門医で、東京歯科大学市川総合病院の寺嶋毅教授。
もし、自分や家族の誰かが感染者となり、自宅療養になったらどのような対策をとればいいのか。住宅の広さや間取りによって異なる対策を寺嶋教授に聞いた。
■隔離部屋を作る
感染対策の基本は、自宅内に「隔離部屋を作る」ことで、感染者と非感染者が極力接触しないようにすることだという。
「室内には体温計やアルコール消毒液、ゴミ袋、ペットボトル2リットルサイズのミネラルウオーターや食べ物などを多めにストックし、トイレ、入浴以外は部屋から出ないようにします。電気ポットがあれば、お茶や粉末スープ、カップ麺なども部屋で食べられます」
ただし、家の広さや構造によって、隔離に適している部屋は異なる。
【2階建て以上の戸建て】
感染者には2階や3階などで生活してもらい、非感染者は階下で生活する。感染者はトイレと風呂以外は下りてこない。トイレが2つ以上ある場合は、1つを感染者専用とする。
【2LDK以上のマンション、平屋建て】
非感染者の生活スペースからできるだけ離れた部屋を「隔離部屋」にするのが理想。さらにベランダや庭に直接出られる部屋であれば、換気しやすいほか、感染者が簡単な運動をするなどして、ストレス解消もできる。
【1K〜1LDKのアパート、平屋建て】
可能であれば、感染者用のホテルに入るのが理想だが、それが難しい場合は、非感染者はリビングなどで生活し、感染者は寝室で生活する。部屋が分けられない場合はビニールカーテンなどで部屋を区切る。
「2階建て以上の戸建ての場合、感染者は2階や3階の部屋で療養してもらうのがベストです。2LDK以上の平屋建て、またはマンションの場合は、トイレや洗面所といった、家族がよく通る動線から離れた部屋で、ベランダがあるといい。1LDK以下の間取りの場合は、非感染者はリビングで生活しましょう」(寺嶋教授)