黄色い鼻水も副鼻腔炎のサイン(写真:プラナ/PIXTA) 画像を見る

酸素マスク姿をインスタグラムで披露し、世間を驚かせたタレントの有吉弘行(49)。8月13日、自身がパーソナリティを務めるラジオ番組『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』(JFN系)で、鼻中隔湾曲症とともに、“慢性副鼻腔炎”の手術を受けたことを明かした。

 

「おでこのあたり、眉毛のあたりまで、顔いっぱい膿が溜まっていた。“眉毛のへんまで膿が溜まっている”と言われた瞬間、頭が痛くなって(笑)」

 

副鼻腔炎とは、鼻から頰、おでこにかけて広がる副鼻腔という空洞に膿などが溜まり、炎症を起こす疾患だ。こにし耳鼻咽喉科院長の小西将矢さんが、こう解説する。

 

「有吉さんは、鼻の左右を分けている仕切りである鼻中隔が曲がっていたと明かしています。これが、曲がっていたり、太すぎたりすると、鼻腔から副鼻腔への換気が悪くなって細菌が繁殖しやすい状態に。その結果、慢性副鼻腔炎になりやすいのです」

 

■激しい顔の痛みが急性副鼻腔炎のサイン

 

有吉が患っていたのは慢性副鼻腔炎だったが、「最近、新型コロナ感染をきっかけに“急性副鼻腔炎”になるケースが増加しています」と小西さんは警鐘を鳴らす。

 

「副鼻腔炎には“慢性”と“急性”の2種類あります」

 

両者はどう違うのだろうか。

 

「両者では発症の原因が異なります。“慢性”は、有吉さんのような鼻の形態異常によるものや、アレルギーなど免疫応答の異常などが引き金となり副鼻腔の炎症が3カ月以上続いている状態のこと。

 

一方、“急性”は、ウイルスや細菌感染によって鼻粘膜にいる常在菌のバランスが崩れて複合感染を引き起こし、急激に炎症が広がった状態のこと。発症から4週間以内のものを言います」

 

コロナウイルスが検出されなくなった後も、後遺症のように副鼻腔炎の症状が残るのだ。

 

「鼻水や鼻づまり、鼻内部の悪臭、臭覚異常などは両者に共通する症状ですが、急性の場合は、とくに強い“痛み”を訴える方が多いのが特徴です」

 

炎症が起きた場所によって痛む箇所は異なる。鼻の両サイドにある上顎洞の炎症が強いと頰が、鼻の付け根にある篩骨洞の炎症が強いと鼻根部が、額の前頭洞の炎症が強いとおでこが痛むことが多い。もはやどこが痛いかわからないという状態の場合、副鼻腔のあらゆるところで炎症が起こっている可能性が。

 

「一方で慢性の場合は、鼻水が喉に下りてきてせき込む“後鼻漏”の症状を訴える方が多いです」

 

チェックシートで、症状がないか見てみよう。ひとつでも該当する場合は医師の診察を受けたほうがいいかもしれない。急性副鼻腔炎に罹りやすい人には、次のような特徴があるという。

 

「ご自身で気づいていなくても、もともと鼻炎などのアレルギーがあったり、すでに慢性副鼻腔炎だったりする方が多い。こうした疾患がある方は、ウイルス感染により“急性増悪”といって炎症が急激に広がりやすいのです。また、鼻水をすするクセがある方も、鼻腔から副鼻腔へとウイルスや細菌が移行しやすくなるので注意しましょう」

 

コロナ感染や風邪で鼻水が出る場合は、すするのではなく、しっかりかんで排出しよう。

 

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