避けては通れない親の死。葬儀費用に頭を悩ませる人が活用したいのが、“格安葬儀”だ。しかしサービスを利用するにはコツがあるようで――(写真:jessie/PIXTA) 画像を見る

物価高に伴って、葬儀費用が高騰している。各自治体の火葬費や通夜振る舞いの料理は全国的に値上がり。さらに高齢化によって年間死亡者数が増加し、混雑時は1週間以上の“火葬待ち”となるケースも多い。安置日数が延びる分、費用はかさむ。増えるばかりの負担に頭を悩ませる人も多いだろう。

 

そんななか、近年注目されているのが“格安葬儀”と呼ばれるスタイル。参列者数、通夜や告別式などを省略・簡素化することで、通常より費用を抑えた葬儀のこと。

 

一般的に葬儀の種類は、参列人数の多い「一般葬」、火葬のみを行う「火葬式」、親族など近親者のみで行う「家族葬」に大別される。

 

「従来多かった“一般葬”の費用は、150万~200万円ほどです。一方で、火葬のみ行う直葬プランなら7万円台から。家族葬でも30万円台から、とうたっている葬儀仲介会社も増えています」

 

そう話すのは、お葬式アドバイザーの松瀬教一さん。これまでのように、各地の葬儀会社が価格を決めるのではなく、葬儀の“仲介会社”が全国の葬儀会社と提携し、パッケージ化することで価格を抑えているという。

 

実際、日本最大級の葬儀相談サイト「いい葬儀」の2024年調査によれば、葬儀スタイルはコロナ禍を契機に大きく変化した。高齢化がすすむと、会社の同僚や友人などの参列者はおのずと少なくなる。ならば、「近親者のみで小規模の葬儀でも十分」と、それまで主流だった「一般葬」から「家族葬」へと、シフトしているのだ。これに伴い、葬儀にかける平均費用も、2020年から2024年にかけて約66万円も減り、118万円に。

 

松瀬さんによれば、格安葬儀は「費用が安く抑えられてよかった」という声がある半面、「不要なオプションをつけられて見積もりより高額になった」「簡素にしすぎて後悔が残った」などのケースもあるという。

 

そこで本誌では、後悔しないために、格安葬儀で注目を集めるプラットフォーム「小さなお葬式」「よりそうお葬式」「イオンのお葬式」のプランを比較。なかでも、3社共通して人気のある“家族葬”に焦点を当て、それぞれの特徴や、選び方のポイントをまとめた。

 

まずは、全国葬儀受注件数がNo.1で、テレビCMでもおなじみの大手「小さなお葬式」。

 

3社の中で、唯一、家族葬に特化した直営ホールを全国200式場以上展開している。そのため、「当日、式場を見てがっかり」といったことになりにくい。家族葬プランは告別式のみを少人数で行う「小さな一日葬」(35万円~)がいちばん発注数が多い。生前の資料請求で最大5万円の割引が適用されるという。

 

次に、いまや格安葬儀の代表格となった「よりそうお葬式」を見てみよう。

 

「当社では、必要最低限のものを各プランにパッケージ化して、あとは必要な人がオプションを選べるようにしています。そうすることで、安さだけでなく納得感や適正さを担保しています」(代表取締役・篠﨑新悟さん)

 

「よりそう」の代表的なオプションは、「お坊さんセット」だ。僧侶の手配・読経・初七日などの法要が、セットで定額になっている。「お寺との付き合いがない、お布施をいくら包めばいいのかわからない、という悩みが非常に多いためパッケージ化した」(篠崎さん)という。一例を挙げると、通夜をのぞいた「一日プラン」の「お坊さんセット」の価格は10万5千円(戒名授与+位牌代含む)。

 

そして、近年利用者が増えているのがイオンのグループ会社、イオンライフが運営する「イオンのお葬式」。特徴は、“イオンブランド”の安心感に加え「極力あとから追加料金が発生しないようなプラン設計をしています」と、営業企画推進部の鈴木禎さんは話す。発注数が多いのは、通夜を行わず一日でお葬式を執り行う「一日葬」(32万8千円~)だ。

 

また、イオンから紹介された葬儀会社と遺族が葬儀の相談をする際には、イオンライフのスタッフがリモートで参加。公正な立場で遺族(喪主)に寄り添い、いざというときに「わからないのでお願いします」と協力を仰げるのは、他社にはない安心材料だ。

 

気になる価格は、葬儀の2年以上前に無料会員に登録する「そなえ割」を活用すれば、最大6万円の割引が適用される。また、イオンカードで支払うと3千円の割引やポイントが付くのも、イオンユーザーにはうれしい。

 

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