話題の“企業ぐるみダイエット”。次の注目は日立グループだ。茨城県日立市の「日立製作所・日立健康管理センタ」が社員のメタボ対策のため開発、実践されているのが「はらすまダイエット」だ。 医師の中川徹・副センタ長は言う。

 

「『はらすま』とはその名の通り『腹がスマート』の意味です。90日かけ、体重の5%減を目指すもので、無理なく続けられてリバウンドも少ないです。できる範囲で100キロカロリー単位の減量法を実行していきます。忙しい社員たちでも続けられ、成功率は90%以上なんです」

 

必要なものは、100グラム単位で量れる体重計、歩数計、記録用のノートの3つ。まずは減量の目標を設定。現在の体重×0.05=( )キロ減が90日間の目標。1日当たりの必要減量体重は、先の( )キロ×1000(グラム)÷90日=( )グラム/日。これをカロリー計算すると、体重を1キロ減らすには7000キロカロリー減が必要なので、90日間の目標減体重( )キロ×7000キロカロリー=が、90日間のカロリー減目標。それを90で割ると、1日あたりのカロリー減目標が出る。60キロの人で233キロカロリーほどだ。

 

目標がわかったら、食べ物、運動、日常生活でその3分の1ずつダイエットを積み重ねていくのだ。100キロカロリーの目安は、食べ物なら白米ご飯1/2膳、バタートースト1/2枚、握りずし2貫、生ビール小1杯。運動では60キロの人で、ウォーキング24分、ジョギング14分、ラジオ体操24分。日常生活なら、炊事・洗濯48分、掃除機をかける27分、階段を上る12分。これと併せ、歩数計を意識しながら、毎日よく歩くよう心がける。1日7〜8,000歩になればバッチリ。

 

大切なのはダイエット記録の内容だ。記録するのは、朝晩の体重(100グラム単位)、1日に歩いた歩数、実行した100キロカロリーの減量法、その日の自己評価とサボってしまったときの言い訳、の4つ。体重を量るタイミングは、朝トイレに行った後、夜は夕食を食べた後〜就寝前。

 

「意外かもしれませんが、重要なのは“言い訳”。体重が増えてしまった日でも『ママ友会で食べすぎた!』など、思う存分言い訳を書いておけば、必要以上に自分を責めずにすみます。ストレスをためないことが続ける秘訣です」(中川さん)

 

90日間の食生活や運動が習慣になり、生活改善につながったという声も多いそう。だから、その後の体重維持も難しくない。日立製作所営業部で働く35歳の女性は50キロの体重を43キロに落とすことに成功し、「こんなにストレスフリーのダイエットは初めてでした」という。

 

「そう、痩せるために好きなことをやめる必要はないんです。毎晩のビールが楽しみなら飲めばいいし、3時のおやつが欠かせなければ食べればいい。その代わり、自分ができると思う方法で、少しずつ減量していく。無理しない、がんばらない、でも簡単にはあきらめない。これがはらすまダイエットの神髄です」(中川さん)

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