「最近見つけたお気に入りのゴーヤスムージーを取り寄せています。ゴーヤの苦味を残しながら、パイナップル、レモン、ミントでおいしくて」
美容や体にいいものの話を始めると、声のトーンも上がって無邪気な様子に。藤原紀香(49)は美に一家言ある女優として、これまでも数々の美容法を広めてきた。
「ふだんは旬の野菜でスムージーを作りますが、忙しいときにはこれ。天然ゴーヤスムージーは、苦いものが苦手な男性やお子さんにもおすすめ。夫も“これクセになる”と気に入っています」
6月28日には、40代最後の1年が始まった彼女。年齢を感じさせない美しさだが、本人は年齢についてどう考えているのだろうか。
「ステイホーム中に“おうちダイエット”(断捨離)をして写真を整理したんです。大学3回生のときが、なぜだかいちばんメークが濃くて笑ってしまいました。逆にいまは物欲もあまりなくなりましたし、身も心もだんだん必要なものだけをまとうようになってきました。年齢を重ねることは素敵なことと感じていますし、前向きに付き合っていきたいです。顔の筋肉を動かす“顔ヨガ”や運動をしたり、ナチュラルなアンチエイジングの方法はいくらでもあります。少しの時間でも日々継続できることをして、口角を上げて話して、たくさん笑う。70代の素敵なお姉様から“49歳なんて、まだまだひよっこよ”と言われました(笑)。映画『恋愛適齢期』のダイアン・キートンや『恋愛小説家』のヘレン・ハントのように、年齢を重ねてもしわの一つ一つが魅力的な女性でありたいです」
年齢を受け入れた“美”の追求の一方で、今までもこれからも紀香的内面キーワードは“人間力”。
「人間力が高い人でいられるように努力したいと思っています。人への優しさ、思いやり、誠実さ、愛情深さ、癒し力、そして生きるモチベーションの大きな人が、私にとって人間力が高い人。“あなたといるとなんだか楽しくなるわ”と言われる女性を目指して、まだまだ“人生修行中”です」
まもなく公開される映画『癒しのこころみ〜自分を好きになる方法〜』(7月3日(金)シネ・リーブル池袋ほか全国公開)では、カリスマセラピストを演じている。
仕事で疲弊して心が折れてしまった主人公を癒し、彼女が一人前のセラピストになるのを見守っていく、まさに“人間力”の高い役だ。
「わたしが演じたカレンが『痛みを知った人間は人を癒すことができるのよ』と主人公に伝えるセリフがありますが、それはセラピストだけでなく、俳優もそうですし、どの職業の方にも通じること。“人に寄り添う気持ち”の大切さが映画の1つのテーマになっています。こんな大変な社会の今だからこそ、皆さんに響くのではないかと思っています」
自身も、コロナ禍を経験して、改めて感じたことがあるという。
「大震災のときもそうですが、いつどうなるか誰もわからないと再度感じました。生きていること自体が幸せなこと。いまは“昨日より少しでも成長している自分でありたい”と思います。この先、まだまだ大変な時代に突入するかもしれないですから」
外見も内面もーー。紀香流“美のレシピ”は、50代、60代になっても進化し続けることだろう。
「女性自身」2020年7月14日号 掲載