卵2個でダイエット! 画像を見る

「『卵=コレステロール値を上げる』というイメージが根強く残っているかもしれませんが、今ではコレステロールの生産は肝臓が行うものであり、食事で調節できるものではないというのが常識となっています」

 

こう話すのは、肝臓クリニック札幌の川西輝明院長だ。実際、’15年に厚生労働省が日本人の食事摂取基準からコレステロールの上限値を撤廃している。

 

「それまでは卵や魚卵など、動物性の肉や卵を食べるとコレステロール値が上がると言われて、卵はせいぜい1日1〜2個が推奨されていましたが、実はコレステロール値を上げるのは『ミリスチン酸』という飽和脂肪酸です。ミリスチン酸は肉には入っていますが、卵にはほとんど入っていません。コレステロール値の高い人は、消費カロリーに対して摂取カロリーが高いためにカロリーが余って、その栄養が肝臓で代謝されてコレステロールが作られているのです」(川西先生・以下同)

 

つまり、それまで考えられていた「卵=コレステロール」の考え方は誤解で、コレステロール値を上げるのは余分なカロリーだというのだ。

 

■卵料理なら何でも大丈夫。調味料もソースなど自由に

 

コレステロール値が高いと血液がドロドロになって血管が詰まる動脈硬化、肝臓の細胞の中に中性脂肪がたまる脂肪肝になるリスクなどが高まる。動脈硬化は脳梗塞や心筋梗塞、脂肪肝は肝硬変や肝臓がんなどの病気につながるので注意が必要だ。

 

そのためにも川西先生が提案するのが、今回紹介する「にこたま」ダイエット。方法はいたってシンプルで、パンやご飯を卵2個に置き換えるだけ。

 

朝食が和食ならご飯、味噌汁、おかずのところ、ご飯を抜いて、その分卵2個分の卵料理を食べるというもの。洋食ならパンの代わりに卵2個とコーヒーとサラダといったふうに。このとき、注意してほしいのは、卵2個を足すのではなく、かならず炭水化物と置き換えることだ。

 

とはいえ、ご飯がないと腹持ちがしない気がするのだが、川西先生はこう話す。

 

「日本人はもともと飢餓に強い飢餓遺伝子を持っていて、粗食で少量の食事でも十分足りるのです。ところが、洋食文化が入って、栄養が豊富になるにつれて摂取カロリー過多、糖質の取りすぎになり、生活習慣病が増えてきました。それに、このダイエット法、まずは1食分からの実践でかまいません。朝食時だけで十分です。1〜2週間もすると変化が見え始めるでしょう」

 

ダイエットに大切なのは結果が目に見えること。にこたまダイエットはしっかり実践すれば、2週間程度で、肝臓の数値が改善され、体重も少しずつ減り始めると川西先生は言う。

 

慣れてきたら、1食分から2食分と主食を卵に置き換えていき、最終的には1日3回の食事を2食に減らして1日の総摂取カロリーを抑えていこうというのが狙いだ。

 

「にこたまダイエットはストイックなダイエット法ではありません。卵焼き、オムレツなど、調味料を使った卵料理でも構いませんし、調味料もケチャップ、ソース、マヨネーズなど、どれを使っていただいても構いません。砂糖を使ったプリンですら、茶わん1杯のご飯に比べると糖分カットとなるのでいいのです。とはいえ、糖質0を目指すのではなく、ご飯やパンといった炭水化物を大幅に減らすための工夫です。ですから、おかずのとんかつや唐揚げといった揚げ物の衣の小麦粉まで気にする必要はありません」

 

ダイエットで大切なのは楽しく続けること。卵2個を飽きないように、おいしく食べてもらうことがポイントなのだ。

 

■40代の女性も2週間後には体重減、6カ月で7キロ減に成功

 

なんと、川西先生もこの方法で、3年間で128キロ→103キロと25キロのダイエットに成功しているそう。

 

「6年くらい前ににこたまダイエットを始め、そこから食事を減らし、以前は1日3食食べていたのが、今では1食です。それでも十分エネルギーは取れますし、リバウンドもしません」

 

先生の患者さんで40代の女性もにこたまダイエットを始めて2週間後には体重の減少が見られ、6カ月後には7キロ減に成功している。

 

「ダイエットで完璧を目指す必要はありません。6〜7割できたら、頑張った自分を褒めてあげて、モチベーションを高めて継続するようにしてください」

 

ダイエットはおいしく楽しく!

【関連画像】

関連カテゴリー: