飲めばおいしい!体にいい!健康飲料として定着してきた「あま酒」。だがじつは、調味料としても非常に優秀だという。現在発売中の『料理用あま酒、はじめました。』(光文社)では、あま酒がいかに魔法の調味料であるか、その魅力を大解剖している。
塩こうじのようにどんな料理にも使え、塩分もあとから調整できるのが素晴らしいところ。料理に甘みをプラスするだけでなく、食材のくさみを消したり、とろみをつけたり……あま酒ひとつで、砂糖や酒、小麦粉の役割まではたしてくれる。そのため、使う調味料や工程がどんどんシンプルになり、毎日の料理が驚くほどおいしく変身するのだ!
今回は、小麦粉いらずのシチューをご紹介。あま酒にはもともと粘度があるので、小麦粉や片栗粉を加えなくても、料理に自然なとろみをつけることができる。とろみづけは意外と手間がかかり、失敗もしがち。調理をシンプルにし、上手に仕上げるうえでも、あま酒を使うのはとても有効だ。また、健康やアレルギー対策にグルテンフリーを志向する人も増えているので、その点でもあま酒はひと役買ってくれる。
使用するのは「酒かすに砂糖などを混ぜて作られたもの(酒かすあま酒)」ではなく「こうじと米で作られたもの(こうじあま酒)」。ただし、製品によって甘さやとろみが違うので、分量を調整しながら好みの味に仕上げること。塩分が加えられている場合は、塩加減をみて使おう。
【チキンとかぶのホワイトシチュー】
<材料>4人分
鶏もも肉…1枚
玉ねぎ…1/2個
にんじん…1/2本
しめじ…1/2パック
かぶ…中2個
にんにく…1片
ローリエ…1枚
あま酒…200ml
牛乳…150ml
バター…10g
塩…小さじ1
こしょう…少々
<作り方>
(1)鶏肉は大きめのひと口大に切る。玉ねぎはくし形切り、にんじんは1cm厚さの輪切り、にんにくはみじん切りにし、しめじは小房にほぐす。かぶは茎を少し残してくし形切りに、葉は2cm幅に切る。
(2)厚手の鍋にバターとにんにくを弱火で熱し、香りが立ったら鶏肉を加え、色が変わるまで中火で炒める。玉ねぎ、にんじん、しめじ、かぶを順に加えて炒め合わせ、しんなりしたら水200mlとローリエを加え、アクをとりながら弱火で5分ほど煮る。
(3)あま酒を加えてふたをし、弱火で7分ほど煮る。火が通ったら塩、こしょうで調味し、かぶの葉と牛乳を加え、5分ほど煮る。
その味は――?ホワイトソースをいちから手作りしようとすると、ダマになったり、粉っぽくなったり……。かといって、いつもルウに頼るのもなんだか不本意。そんなとき、あま酒なら、加えるだけでなめらかに仕上がる。このとき、あま酒をブレンダーやミキサーにかけて、なめらかなペースト状にして使うと、なおよし。また、あま酒が乳製品特有のくさみを抑えてくれるので、苦手な人でもおいしくいただける。お米のパワーで体の芯から温まるのもうれしいところ!
『料理用あま酒、はじめました。』
「あま酒」は魔法の調味料!「砂糖代わりに」「小麦粉代わりに」「だし代わりに」使えるヘルシー・レシピのほか、「肉や卵がフワッフワに仕上がる」驚きのレシピ、さらには、「いつものスープやドリンクにちょい足し」アイデアなど、発酵料理を研究する著者・舘野真知子の集大成ともいえる1冊。あま酒ひとつで、毎日の調理がシンプルに、料理がおいしく大変身する。
著者:舘野真知子
価格:1,300円+税
出版社:光文社(ジェイブックス)