フェカリス菌が免疫力を向上させて花粉症のつらい症状を軽減

日本気象協会によると、2013年の花粉の飛散量は、関東・東北地方と北海道で前年の3~7倍になると予測されています。花粉症の人にとっては、つらいこのシーズン。乗り切るために、抗アレルギー薬を服用する人も多いと思いますが、今度は眠気やだるさといった症状に悩まされることも…。

一方で近年、花粉症対策として注目を集めているのが乳酸菌。乳酸菌なら毎日の生活の中で気軽に摂取できるのが魅力です。なかでも「フェカリス菌」の花粉症の症状緩和効果が高いことが話題に。そこで、フェカリス菌がなぜ花粉症にいいのかを医学博士の中原英臣先生にうかがいました。

――フェカリス菌が花粉症対策になるのは、どんな働きによるものでしょうか?

「花粉症は、体の免疫機能が花粉に過剰に反応して、アレルギーを引き起こすものです。フェカリス菌をはじめとする乳酸菌は、腸内の免疫細胞を活性化することで免疫システムのバランスを整えてくれます。その結果、花粉症の症状を抑えることができるのでしょう」

――フェカリス菌は他の乳酸菌とどのように違うのでしょうか?

「フェカリス菌は、人間の体内から分離して加熱処理を行い、乾燥させたもので、殺菌されたものでも効果があることがわかっています。乳酸菌の効果を得るには、生きた乳酸菌を腸内に届けることが大事だと思っている人も多いかもしれませんが、それは誤解。生きた菌は不安定なため、腸内に定着しづらいという面もあるのです。今では、生菌でも死菌でも、たくさんの菌数を摂取することが腸内環境を整えるためには効果的だということがわかっています」

image

*飲用開始前と比較して飲用後で有意差あり
+飲用開始前と比較して飲用後で改善傾向あり
フェカリス菌含有乳性飲料を毎日1本、8週間飲用。飲用開始前、飲用後の花粉曝露室内でのスギ花粉に対する自覚症状の変化。NPO日本健康増進支援機構が2011年10月から12月に実施。
(出典元:薬理と治療vol.40 No.2 2012)

 

手軽にたくさん摂取できるからフェカリス菌の効果は期待大

 ――フェカリス菌が他の乳酸菌よりも優れている点を教えてください。

「フェカリス菌は菌体がビフィズス菌の約五分の一と小さいため、一度に多くの菌を摂取することができます。腸のすみずみまで届くことで、免疫力の向上作用が大きくなり、花粉症の症状緩和がより期待できるのです」

小さくて、腸内を刺激しやすいという特徴を持ったフェカリス菌。上のデータでは、フェカリス菌含有乳性飲料(1本当たり1,000億個)を毎日1本、8週間飲用することで、花粉症による「鼻かみ回数」、「鼻づまり」、「眼のかゆみ」が改善したことが裏付けられています。

――腸内で素晴らしい働きをしてくれるフェカリス菌ですが、花粉症以外にも効果があるのでしょうか?

「腸内の善玉菌を増やしてくれるので、整腸作用をもたらし、便秘の改善なども期待できます。便秘が改善されると、肌荒れや肥満の防止などにもつながり、女性が美しさをキープすることにも役立つでしょう」

――フェカリス菌は、どれくらい摂り続けると、効果が感じられるでしょうか?

「2週間の継続的な摂取で、善玉菌の増加や整腸効果があると言われています。フェカリス菌は薬と違って、副作用があるものではないので、安心して摂取できます。また、生きた乳酸菌とは違い、加熱殺菌されているため、品質が保持しやすいのも特徴です。フェカリス菌を試してみるなら、2週間以上、継続して摂取することをおすすめします」

現在、フェカリス菌を摂取する方法としては、市販の乳性飲料、ヨーグルト、サプリメントなどがあります。花粉症や便秘に悩んでいる方は、改善策のひとつとして、毎日の食生活に、フェカリス菌を摂りいれてみてはいかがでしょうか。

 

 

医学博士・新渡戸文化短期大学学長 中原英臣先生

東京慈恵医科大学卒業。1977年から2年間、セントルイスのワシントン大学でバイオ研究に取り組む。遺伝子研究の分野で毎日新聞100周年記念論文優秀賞、日経サイエンス創刊20年記念論文優秀賞を受賞。山梨医科大学助教授、山野美容芸術短期大学美容保健学科教授を経て、現在は新渡戸文化短期大学学長を務める。

関連カテゴリー:
関連タグ: