《痛みをやわらげる治療すらできていません。2年前は元気で普通に歩いていた娘が、今はベッドに寝たきりです。つらいです。今年入学した大学にも行けません。早くこの苦しみから救える治療をしてください。早く痛みのない生活をさせてください》
こう手紙で綴ったのは2年前に、当時16歳の娘が子宮頸がんワクチンを接種し、副作用に苦しむ母親。また、この1年半で登校できたのが2カ月半だという中学3年生の少女からは、こんな願いが届いていた。
《困っていること。頭痛が24時間つづいている。勉強がおくれている(計算ができなくなっている)。(物が)2重に見える。光がまぶしくて外出できない。ボーっとして横に無意識にたおれてしまう。はやく私を治してください!》
この子の母によると、接種直後から今まで3度の入退院を繰り返しているという。これらは、全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会に届いた被害者からの手紙だ。
子宮頸がんワクチンは、今年4月より小学6年生から高校1年生の女子を対象に国が接種を推奨し始めた。しかし、厚生労働省には激しい痛みなどの副作用の報告が相次いだ。そのため6月14日に、この推奨は異例にも取り下げられた。全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会の事務局長で、日野市市議会議員の池田としえさんは、こう語る。
「これまで370万人の女子中高生が接種を受けました。ところが副作用の被害は、想像以上にひどいものでした。実は昨年12月の段階で、厚労省の部会には2千500件の被害届が集まっていました。ところが、厚労省はそのまま接種の推奨を推し進めたのです。歴史的に見ても、厚労省の薬害被害というのは、いつもこういう形で、一部の官僚が知っていても、ダンマリを押し通したことで手遅れになっていくのです」
接種の危険性を訴え続けてきた、宮城県のさとう内科の佐藤荘太郎院長の口からは、子宮頸がんワクチンの副作用について、驚くべきデータが飛び出した。
「副作用が起きる確率は、米英の反ワクチン団体によると、100人のうち1人の割合、つまり被害は1%にものぼると報告されています。ということは、日本は2年間で350万人が接種していますから、小さい副作用も含めると3万5千人が何らかの被害に遭っていることになります。そんな危険なワクチンを接種させていいわけはありません」
高確率で発症する副作用に加えて、子宮頸がんワクチンの効果についても、佐藤院長は、否定的な考えを示している。
「いま子宮頸がんには2種類のワクチンがあり、ひとつはイギリスで’05年から、もうひとつはアメリカで’06年から接種開始になりました。しかし、効果が出るのは20年後に40歳を超えてからといわれています。逆に言えば、このワクチンで子宮頸がんを予防できた患者さんは、世界中に誰もいないわけです。私は、このワクチンが子宮頸がんに効果があるということすら信じていません。それなのに、イギリスではこの接種によって、重い副作用による裁判も起きているし、米国では年間に38件もの死亡例も報告されています」
被害者たちの声に、国は真摯に耳を傾けるべきだろう。