「世の中で姿勢のいい人は、全体の5%程度。この人たちは、日常生活のなかでつねに、姿勢を正すための時間をつくっています。それ以外の人たちは、『自分は猫背だ』と思ったほうがいいでしょう」

 

悪い姿勢を総称して「猫背」だと語るのは、虎ノ門カイロプラクティック院の碓田拓磨(うすだたくま)院長(46)。’02年から、早稲田大学で「姿勢と健康」の講義を毎週行っている、姿勢改善のエキスパートだ。

 

碓田院長によると、猫背には大きく分けて3つのタイプがある。それが、「首猫背」「背中猫背」「腰猫背」だ。そして、このタイプごとに、体に引き起こされる症状も変わってくるのだ。

 

【首猫背――肩の後ろが丸くなり、横から見るととくに首が前に出ている状態】

「この姿勢は、四十肩や五十肩、そして手や腕のしびれなど、神経障害にもなりやすくなります。さらにノドにも影響を与え、気管支炎にもなりやすくなります」(碓田先生・以下同)

 

【背中猫背――背中の中心部分が丸くなった状態】

「背中が丸くなることで、背骨を通る自律神経が圧迫され、胃に影響を与えます。その結果、胸焼けやむかつき、胃もたれになりやすくなります」

 

【腰猫背――腰の部分が丸くなり、やや前かがみの状態】

「足を組んだり、あぐらをかく人に多い腰猫背は、大腸や、膀胱など『泌尿器系』に影響を与える可能性があります。女性の場合は生理痛、便秘になりやすくなります」

 

そこで碓田院長が考案した、奇跡のエクササイズ「キャットレッチ」は、1回わずか数秒ほどでできる猫背の解消法だ。

 

【キャットレッチ(椅子に座るか立った状態で行う)】

・両腕を背中に回して両手を組む。その際、手のひらが上になるように。

 

2.ゆっくりと息を吸いながら、肩甲骨を背中の中心に寄せるようにして、組んだ手を斜め下に伸ばし、両肩を後ろに引く。同時に、首をゆっくり上に向けていく。その際、お腹を突き出さないように注意する。

 

3.この状態を数秒間、キープする。

4.ゆっくりと息を吐きながら、体を元の状態に戻していく。

 

「首を上に向けていくときに、肩をちゃんと後ろに引いていないと、首に負荷がかかり、痛める可能性があります。慣れるまでは、首を反らさないで、両肩だけを後ろにしっかりと引く練習をしてください」

 

これを1日20回。ポイントは、決まった時間に行うのではなく、こまめにやること。これで猫背が解消できるというから、やってみる価値はあるはずだ。

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