「がんの嫌がる食事は、体を温めるスパイシーなメニュー。逆に不規則な食事や間食はがんが好きな習慣です」と語るのは、日本薬科大学学長の丁宗鐵先生。学生時代から35年にわたり漢方医学とがんの研究に従事。北里研究所や、百済診療所などで約2千人のがん患者の体と病気をじっくり観察した経験から、がん患者の再生予防のための食事指導をはじめ生活改善を指導している。

 

「メタボはあらゆるがんを引き寄せます。やせるときは、急激なダイエットではなく1年1キロ減らしていくことが理想です。たいてい摂取カロリーを計算してダイエットに励みますが、取った食事はすべて吸収するわけではない。カロリーより日々の体重管理が大切です」(丁先生・以下同)

 

丁先生はバリバリ働きすぎていた50代のころ、「このままではがんになる」と気付き、生活を徹底改善。代謝も衰える55歳からは1日2食に改め、体重も17キロ減量に成功した。ただしダイエットにも我慢ばかりはよくないという。

 

「私は毎晩お酒を少量ですが、たしなみます。アルコールには発がん性はなく、適量の蒸留酒であれば熟睡効果があり健康増進に役立ちます。ただしワインなど醸造酒は糖分も多すぎて内臓への負担がかかり、飲むならやはり、蒸留酒でしょう」

 

約束事を守ればお酒も肉もOKという丁式食事法。そのなかで、がんが「逃げ出す」食事法として、丁先生が推奨するのが朝カレー生活だ。がん細胞は温かいところが苦手なので、予防には冷えた体を温める食事が必要とのことだ。

 

「人は体温が1度上がると代謝は1.6〜1.7倍になります。代謝を高め、痩せやすい体づくりにも朝カレーは最適です。市販のレトルトカレーは油分が気になるので、カレー粉を使ったもので作り置きするのがいいでしょう」

 

実践していくと朝カレーで、スッキリ体を目覚めさせることができる。日中しっかり動けることでダイエット効果も加わり痩せやすい体に。なにより体を温めてくれるのでがんを寄せ付けない体作りの基礎になる。長続きのコツは、飽きないようバリエーションを増やすこと。

 

「味噌汁を作るプロセスで、最後に味噌ではなくカレーを入れてスープカレーにするのもいい。こうしたスパイシーで体の温まる食事を、1日1食は取るよう心がけてください。カレー以外にもスパイシーな食材は多く、わさび、しょうが、みょうが、からし、ししとうなどいろいろあるので工夫して取るようにしましょう。新陳代謝も高まり、体温も上がっていきます」

 

体を温める食生活でがんに対抗しよう!

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