「以前から、演歌をより幅広い層に聴いてもらいたい、お子さんも来てくれるような歌謡ショーができたらな、と思っていて。もともとけん玉は子どもの遊びなので、イベントに取り入れてみたんです。会場ではおじいちゃんが孫にけん玉を教えていたり、新しい形の歌謡ショーができたなって思いましたね」
こう語るのは、「けん玉演歌歌手」として注目を集めている三山ひろし(34)。2年前、ファンクラブイベントのために練習したのをきっかけに、どんどんのめり込み、今ではけん玉2段の腕前だ。けん玉はエクササイズにいい、と言う。
「長いときは2時間くらい、公演前に、汗だくになって夢中でやっていることもありますね。本番前に着替えて、メークも直して……どっちで疲れているんだっていうね(笑)。おもに下半身を使います。コツがわかると、手首や上半身は疲れなくなるんですよ。いや〜、エクササイズにはすごくいいと思いますよ。わりと有酸素運動なので」
また、脳トレーニングにもなるらしい。
「自分の中で、玉の軌道を空間図形のように描いてとらえていますね。そこに体を合わせていって技を決めるイメージなので、頭は使います。あと、僕の場合はメンタルにも効いていますね。緊張感に打ち勝つっていう部分で、鍛えられている気がする。けん玉を始める前に比べると、ステージで歌うときも、グッと落ち着いたものになっていると思います。それまでは手先が震えたりしていたんですが、今は自分の世界に入り込んで歌うことができるので」
もちろん、けん玉の腕前だけではなく、“ビタミンボイス”のキャッチコピーで、その歌声にも定評がある。
「デビュー曲の『人恋酒場』を声紋分析してもらったら、高音には清涼感があって、低音には安心感と活力を与える成分が出ているとかで(笑)。活力=ビタミンというところから、このコピーが。最初は恥ずかしかったですけど、ちゃんと科学的に実証されていますから(笑)」