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「認知症の発症には生活習慣が大きく関係していますが、どんな生活を送っているかには性格が深く関与していることも。現在、認知症と性格の関係について、さまざまな研究が進められています」

 

そう語るのは、先ごろ『100歳まで健康に生きるための111の話』(毎日新聞出版)を上梓したアンチエイジング研究の第一人者・順天堂大学の白澤卓二教授。同書によると、「皮肉屋」「心配性」は認知症の発症リスクが高いというのだ。そこで、認知症になりやすい性格を挙げた。当てはまるものが多ければ多いほど、認知症リスクが高まる。各項目について、白澤先生が解説してくれた。

 

【皮肉屋である】

イースト・フィンランド大学の調査では、「人は他人を出しぬくために嘘をつくと思う」などの項目にイエスと答えた皮肉屋の人は、ノーと答えた人より認知症の発症リスクが約3倍にのぼった。

「もともと、敵意を抱きやすい性格の人はストレスに対する反応が高く、脈拍や血圧が上昇し、心臓に負担をかけやすいため心臓病のリスクが高いことは知られていました。認知症との因果関係については、さらなる研究が待たれます」

 

【心配性である】

心配性の女性も要注意。スウェーデン・ヨーテボリ大学の研究によると、心配性で怒りっぽい女性は、アルツハイマー病を発症するリスクが2倍も高かった。

「研究では長期間に及ぶストレスとの関係が考えられていますが、私は、その先にあるうつとも関係していると推測します。うつ病の人はそうでない人に比べ、3.5倍以上もアルツハイマー病を発症しやすいのです。うつになりやすい心配性の人にも、同じリスクがあるのでは」

 

【出不精、ひきこもりである】

出不精だと、脳を使わなくなるほか、血流悪化も心配だ。

「有酸素運動は心血管機能を向上させるため、記憶力をつかさどる脳の海馬という部分の血流もよくします。速歩きでも十分効果があるのですが、出歩かなくなると脳血流は悪くなるいっぽう。当然、認知機能の低下も招きます」

 

【美白命である】

いざ、お出かけ。だが、紫外線予防命の「美白女子」にも、認知症の危険が!フランス・アンジェ大学病院の研究によれば、実際にアルツハイマー病を発症した人は、発症していない人よりビタミンDの量が低い傾向にあったという。

「紫外線を浴びると体内で生成されるビタミンDは、幸福感をもたらす働きもあるため、不足するとうつ状態を招きます。しかし、美白ブームによって現在多くの女性が慢性的なビタミンD不足に」

 

【せっかちである】

歩くこと同様に、脳を広く刺激するのが「咀嚼」。よくかむ人ほどボケにくいそうだ。

「『食事に時間をかけるなんてムダ』と思うせっかちな人は、そばやカレーなどかまずに飲み込める食事になりがち。咀嚼が不足し、認知症になりやすいといえます」

 

【がんこである】

そこで、カレーのときは白飯を玄米に替えるなど「かむ工夫」が必要だが、がんこな人はそれが難しい。

「『カレーライスに玄米なんてありえない』という人も(苦笑)。悪い生活パターンを変えられないという点で、がんこな人も要注意です」

 

【パン好きである】

女性に多い「パン好き」も、認知症予防の観点からは、量を控えたほうがよさそうだ。

「小麦を品種改良する過程で生まれたアミロペクチンという物質が、脳組織にダメージを与えるうえ、やはり小麦に含まれるグルテンには中毒作用があります。食べるほど小麦がさらに欲しくなり、アミロペクチンの摂取量が増え、脳が傷ついてしまうのです」

 

【ほれっぽくない】

最後は「恋心」。ときめきは認知機能もキープするため、裏返せば、ほれにくい人ほどボケやすいという。

「加齢とともに脳の神経細胞の数は減少し、認知機能は低下しますが、ときめきは脳の神経栄養因子という物質の分泌を促進。脳の神経細胞から突起が伸びて、新しい神経回路をつくってくれるのです。ほれっぽくない人は、この物質の分泌も増えないので、恋多きひとよりボケやすいといえるでしょう」

 

以上の8つのうち、ひとつでも当てはまったら要注意!「今から性格を変えるなんて無理」と言わず、意識することから始めよう。

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