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「“メタボ=太っている”と思っている人がすごく多いのですが、これは大きな間違い。自分は太っていないから大丈夫などと勘違いしていると、どんどん症状は進行していきます」

 

そう警鐘を鳴らすのは、「岡部クリニック」院長の岡部正氏(64)だ。

 

あなたはメタボリックシンドロームの正しい意味をご存じだろうか?答えは腹囲が基準値(男性85㎝、女性90㎝)以上で高血圧・高血糖・脂質異常のうち2つ以上に該当する状態のこと。内臓脂肪型肥満とも呼ばれ、内臓脂肪は生活習慣病の原因になるといわれている。

 

だが、そんな生活習慣病予防で重要な“メタボ”が提唱されてから約15年。生活習慣病患者はむしろ増加しているという(※1)。実際“隠れ肥満”の女性など、腹囲にばかり気を取られて肝心の内臓脂肪は気にしていない人も多い。増加傾向なのも当然といえるだろう。

 

さらに、もっと知られていない事実がある。それは高血圧、高血糖、高血中脂質がそれぞれ“連鎖し合っている”ということ。つまり健康診断でいずれかの異常が認められた場合、残りの2つのリスクも高いといえるのだ。これらは「トリプルリスク」と呼ばれ、3つすべてに該当すると動脈硬化や狭心症や心筋梗塞のリスクが35.8倍に増大するという(※2)。

 

だが今年1月に「トリプルリスクを考える会」が1,200人へ行ったアンケートでは、内容を理解していたのはわずか5%だった。なぜリスクは連鎖するのか、岡部氏がこう続ける。

 

「高血圧も高血糖も高血中脂質も、内臓脂肪の多さが原因のことが多い。つまり“根っこ”は同じということです。だからいずれかの異常が出ていたとしても、それは氷山の一角なんです。3つ重なると動脈硬化のリスクが増大するのは、それぞれの要因が別方向から血管(動脈)を攻撃するためです。3つは連鎖しているので、1つだけ注意するだけでは不十分。すべてを同時にケアする必要があります」

 

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そしてこのトリプルリスクへの理解のなさが、私たちに重大な危険をもたらすという。

 

「トリプルリスクを放置していると心筋梗塞などになる危険がありますが、これだけではありません。動脈硬化が進行するという意味では、脳梗塞や脳出血になるリスクも。果ては寝たきりや認知症になる可能性も出てくるのです」

 

恐ろしいのは、これらが自覚症状がないまま進行していくということ。そのため定期的な検診が必要なのだ。また岡部氏は、「日々の食生活を改善することでも対策できる」と語る。

 

「私はいつも、“食事日記”をつけることをお勧めしています。まずは3日間、ありのまま食べたものを書いていきます。するとだいたい、どこに問題があるか見えてくるはず。そのうえで栄養バランスなどを考え、食生活を見直すのです。『食事を減らしていたつもりだけど、こんなに間食していたんだ』など、きっと気づくことも多いと思います」

 

運動もわざわざジムに通うとなると億劫になりがちだが、これも日々の生活を変えることが重要だという。たとえば座っている状態をできるだけ減らし、30分ごとに立つようにするなど。普段の生活のなかで、動く機会を増やしていくのだ。

 

「いまや女性の半分は90歳まで生きる時代。“長生きのリスク”なんて言われているように、老後はお金がかかります。病気になればなおさらです。だから今のうちから対策をして、なるべく健康でいることが重要になってきているといえるでしょう」

 

トリプルリスクを考える会

https://triple-risk.jp/

 

(※1)2014年、厚生労働省の患者調査

(※2)2001年、労働省作業関連疾患総合対策研究班による調査

 

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