日本のトップ医療機関も結論「長生きにたばこ・酒はNG!」
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今年2月、国の医療機関が共同で健康のための提言を発表した。そこに書かれていたのは、わかってはいてもついついクリアできていないものばかり。一つひとつ見直してみようーー。

 

人生100年時代、できるだけ最期まで健康な状態を維持しながら生きたいと誰もが願っている。

 

「日本人の平均寿命は延び続けていますが、自立した生活が送れる“健康寿命”との間には隔たりがあるのが現状です。がんや心疾患、脳卒中、糖尿病には共通の要因があるので、長生きするためにまず心がけるべきことをまとめました」

 

そう語るのは、国立がん研究センター 社会と健康研究センター 予防研究部の井上真奈美部長。今年2月、国立がん研究センターや国立循環器病研究センターなど6つの国の医療機関(※)が健康で長生きするための「10の提言」(9項目+S)を発表した。さまざまな病気にまたがっての予防の提言は、国内初となる試みだ。

 

「“健康によい”という情報はたくさんありますが、不確かなものも多いため、394のエビデンス(科学的根拠)をピックアップしました。今すぐにできることから実行に移してみてください」(井上部長・以下同)

 

国の医療研究の最先端を行く6つの機関が議論を重ねて厳選した「10の提言」から5つを見ていこう。

 

■たばこは吸わない、ほかの人の煙も避ける

 

「日本人を対象とした研究では、喫煙によるがんの死亡リスクは、男性で2倍、女性で1.6倍高くなります。メタボで喫煙の習慣がある女性と、メタボがなく非喫煙者の女性と比べると、循環器の疾患にかかる確率は5倍も高くなるという報告がありました」

 

また、他人のたばこの煙を吸う“受動喫煙”にも注意。夫が喫煙者の妻は、自分がたばこを吸わなくても肺腺がんにかかるリスクは約2倍、肺がんは約1.3倍高くなる。加熱式たばこも、目に見えないエアロゾルが有害という指摘があるため避けるようにしたい。

 

■お酒を飲む量を減らす。飲めない人に強要しない

 

長引く巣ごもりで“家飲み”がはやっているが、飲みすぎには気をつけよう。

 

「飲酒によって大腸がん、肝がん、食道がんのリスクが確実に増加します。またアルコールを習慣的に摂取すると血圧が上昇します。1日に12.5グラム(日本酒で1合の半分)以下の飲酒は認知症のリスクが低下するものの、1.7合以上飲むと逆にリスクが高まるという報告があります」

 

飲む量は女性であれば日本酒で1日1合の半分程度が目安。そして「休肝日」を必ず設けるようにしよう。

 

■毎日の食事で塩分は最小限に

 

日本人の食卓に欠かせない「塩」だが、胃がん、高血圧、脳卒中を招く要因にも。

 

「厚生労働省『日本人の食事摂取基準』では、1日あたりの食塩摂取の推奨量は女性で6.5グラム未満となっています。食事の量は多すぎず少なすぎず、バランスよく取ることが基本です。牛や豚の赤肉や加工肉の食べすぎ、ジュースなどの飲みすぎは控えましょう」

 

1日に野菜は350グラム、果物は200グラムを取ることが目標。DHAやEPAが含まれる魚介類、タンパク質が豊富な大豆製品も意識的に摂取しよう。

 

■やせすぎない、太りすぎない

 

「太りすぎが病気のリスクを高めます。逆に栄養失調を伴うやせ方は免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなります。血管の壁がもろくなり、脳出血を起こしやすくなることも知られているように過度なダイエットは危険です」

 

死亡リスクが最も低くなるのは男女とも、BMIが21〜27あたりだという。年齢に応じて適正な体重を維持しよう。

 

■活発な身体活動を心がける

 

巣ごもり生活で体を動かす機会が減ったという人は多いが、運動不足は健康の大敵だ。

 

「日本人を対象とした研究では、仕事や運動などの活動量が高くなるほど、がんにかかるリスクは低くなることが示されています。まずは今より10分でも多く体を動かすことから始めましょう」

 

目標にしたい運動の目安は1日60分のウオーキングだ。

 

つい自分を甘やかしてしまうのが人間のさがだが、健康長寿をかなえるためにも、自分の生活習慣ときちんと向き合ってみよう。

 

※「10の提言」執筆者/国立がん研究センター、国立循環器病センター、国立精神・神経医療研究センター、国立国際医療研究センター、国立成育医療研究センター、国立長寿医療研究センター

 

「女性自身」2021年5月25日号 掲載

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