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続々登場する変異株に、まだまだ打てそうにないワクチン。「コロナから身を守るには“肺”を鍛えることが重要と語る小林先生に、臨床現場でも行われる「肺トレ」を教えてもらったーー。

 

「なかなか進まないワクチン接種。接種までの間、自分の身を守るには、免疫力を上げることが欠かせません。免疫力が高ければ、感染リスクや、重症化リスクを下げることができるのです」

 

そう語るのは、順天堂大学医学部教授の小林弘幸先生。小林先生によると、免疫力アップのカギを握っているのは、意外にも“肺”だという。

 

「肺で酸素を十分に取り込めないと、血中の酸素濃度が低下。足りない酸素を補うために呼吸の回数が増え、浅い呼吸になってしまいます。じつはこの浅い呼吸が、免疫力を下げる原因となるのです」

 

ふだん何気なく繰り返している呼吸は「免疫」とどのような関係があるのだろうか。

 

「浅い呼吸は、自律神経の働きを乱します。自律神経のバランスが崩れると血流が滞るうえ、私たちの免疫細胞の7割が生息する腸の環境が悪化するのです。腸内環境が悪くなれば、当然そこにすむ免疫細胞の働きも低下してしまいます」

 

酸素の取り込みは、肺の中におよそ3億から6億個ある肺胞が行っている。この肺胞が壊れたり炎症をおこしたりすると、取り込める酸素の量が減少。恐ろしいことに、肺胞の機能は、健康な人でも20代から加齢とともに低下するという。特に喫煙者では、40代以降急激に衰えてしまうこともあるのだそう。

 

「壊れた肺胞そのものを復活させることはできませんが、呼吸の力を鍛えることで、血液に取り込む酸素の量を増やすことはできます。具体的には、1回に吸う空気の量を増やし、正常な肺胞が取り込む酸素の量を増やせばいいのです」

 

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