「年齢を重ねるにつれ、腰痛を訴える方が増えてきます。さらに、コロナ禍での巣ごもり生活で、痛みが悪化している方もいます」
そう指摘するのは、理学療法士で、プロアスリートのトレーナーも務める武井隼児さん。本誌記者も腰痛に悩まされている一人だが、確かに以前より痛みがひどくなっているような……。
「腰痛の大きな原因は、私たちの“背骨”がうまく機能していないことにあります。現代のライフスタイルでは、本来なら背骨全体で支えるべき負担が腰にばかりかかってしまうことが多いのです。そこにコロナ禍のストレスや運動不足が重なり、腰の痛みが引き起こされます」(武井さん・以下同)
コロナ禍のストレスからくる緊張により、首・背中・お尻まわりの筋肉はコリ固まってしまう。さらに、巣ごもり生活による運動不足によって、筋肉を包む筋膜も硬くなってしまうというのだ。
「全身の筋膜は、とんねるずの『モジモジくん』のような、ピチピチの全身スーツ状につながっています。たとえば、緊張で首の1カ所が固まると、腰の筋膜まで引っ張られて、痛みが出てしまうのです」
そんな厄介な腰痛のもとを、手軽に手に入るもので解消できるという。
「『テニスボール』を使って、コリ固まった筋肉・筋膜を効率よくほぐすことができます。私の患者さんからも、このテニスボールマッサージで腰痛が解消されたという声をたくさん聞いています」
用意するのは、テニスボール2個と靴下だけでOK。乗るだけ、転がすだけの3つのステップは、すべて行っても5分あればできるものだ。
「テニスボールの弾力と大きさは筋肉や筋膜をほぐすのにちょうどいいんです。硬式のテニスボールでは硬いという人には、より軟らかい100円ショップのテニスボールがオススメです」
【用意するもの】
テニスボール…2個
靴下…片方
靴下にテニスボールを2個入れて 口ゴム部分を結べば完成。ストッキングで代用したり、テニスボール2個を、サランラップやガムテープでグルグル巻いて使っても◎。