診察なしで薬がもらえる「リフィル処方箋」制度が開始 利用時の注意点を解説
画像を見る お薬受診も不要に

 

■医師の代わりに薬剤師との関係が重要に

 

医師の診察機会が減る分、患者は自分で自分の健康状態に向き合うことが求められる。しかし、中木村医師はそれができる人ばかりではないと感じているという。

 

「高血圧症の患者さんのなかには、受診時しか血圧をはかっていない人もいます。高脂血症の患者さんだと、食事管理がしっかりできていない人も少なくない。そんな患者さんは症状が急に悪化するリスクがあるためリフィル処方箋を出すことはできません。リフィル処方箋を出すなら、体重、血圧を毎朝起きたときにはかるなど、自分をコントロールする習慣をつけていただく必要があります」(中木村先生)

 

リフィル処方箋をもらっていても、体調に異変を感じたらすぐに受診することが重要だ。

 

さらに、受診回数が減るなかで、病状を管理するには薬剤師とのコミュニケーションも大切になってくると宇多川さん。

 

「薬剤師は、医師の代わりに患者さんの変化を察知することが、これまで以上に重要になってきます。患者さんの体調の変化を確認しながら、薬の服用状況などを聴取し、状態によっては受診を勧めて、調剤しないこともあるでしょう」

 

リフィル処方箋による病状悪化を防ぐためには、薬剤師にも自分の体調を知ってもらうことが不可欠なのだ。薬剤師が体調を適切に判断できるよう、調剤時に伝えたほうがよい項目は次のとおり。

 

【薬剤師を有効活用するために「伝えるべき」こと】

・ふだん使用している薬、サプリや健康食品
・病院の受診内容
・最近の体調や、薬を服用し始めてからの体調の変化
・残薬があるか、きちんと服用できているか(できていない場合はその理由も)
・健康診断や検査を受けた際には、その結果

 

さらに「かかりつけ薬局」の存在もより重要になるという。

 

「これまで複数の薬局で別々に薬をもらっていた人は、1カ所の“かかりつけ薬局”に集約することをおすすめします。患者さんが、どのような薬を服用しているか、どんな病歴があるかを総合的に把握できれば、より体調の変化に気づきやすくなるためです」

 

これらの話を総合すると、リフィル処方箋を上手に活用するポイントは〈1〉調剤の期日を忘れず、守ること、〈2〉自分で体調を管理すること、〈3〉体調が悪くなったらリフィル処方箋をもらっていても必ず受診すること、〈4〉薬剤師とコミュニケーションをしっかりとること、〈5〉かかりつけの薬局を持つこと、の5つ。

 

これらの点に気をつけ、リフィル処方箋を便利に使いこなそう!

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