1時間以上の昼寝で「認知症リスク」が40%アップ 正しい寝方を医師が解説
画像を見る 30分で昼寝から起きるためにはコーヒーを(写真:PIXTA)

 

■すっきり起きるコツは昼寝前のカフェイン

 

では、どのようにすれば“安全で効果的な昼寝”ができるのだろうか? 1つめのポイントは、昼寝のタイミングだ。

 

「血糖値が上がることによって、昼食後には睡魔が訪れます。また、15時以降に昼寝をすると、夜の睡眠に影響が出て、生活リズムが崩れる原因に。昼寝は、昼食後の12時くらいから15時くらいまでに行うのがいいでしょう」

 

もちろん、この場合も“30分以内”が重要なポイントだ。睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠の2種類があり、眠りたては通常ノンレム睡眠から始まる。

 

「ノンレム睡眠は大まかにN1〜N3の3段階に分けられ、ステージN1はウトウトとした眠りの浅い状態です。睡眠がはじまって数分でステージN2の状態になり、眠りが深くなりますが、実は覚醒もしやすくなります。この段階で起きることが重要です」

 

ノンレム睡眠のステップ2の段階が続くと交感神経の活動が休まるのだという。

 

「パソコンやスマホの画面を見ている時間が長い人は、脳だけでなく目も疲れます。午前中家事に追われている人は、体が緊張状態に。こうしてたまる疲労や緊張を、午後に一度リセットするためにも、昼寝は有効です。30分ほどの昼寝はリラックス効果や疲労の回復、その後の集中力の向上、仕事や家事の効率アップにつながると報告されています」

 

ただし、30分以上の昼寝は、逆効果になるので要注意。

 

「深い眠りから無理やり起きると、つらいし、睡眠慣性といって、倦怠感が生じたりぼんやりした状態が続いてしまいます。また、起床時に頭痛が引き起こされる場合もあるんです」

 

認知症リスクを低下させるためにも、起きた後元気に活動するためにも、昼寝は30分未満がよさそうだ。では、どのように眠るのがよいのだろうか?

 

「睡眠を取る場所は、暗く静かなところがベストです。しかし、昼間にわざわざ布団を敷けない人も多いはず。アイマスクを利用して、ソファに横たわったり、リクライニングチェアに体を預けてもいいでしょう。リビングのテーブルに突っ伏す場合、体が痛くなるので枕を使ってください。飛行機で利用する、空気でふくらませる簡易枕も効果的だと思います」

 

その際、スマホなどでアラームを設定することも忘れずに。

 

「昼寝前にレギュラーコーヒーや紅茶を飲むなど、カフェインを摂取しておくのもいいでしょう。カフェインは体に吸収して20〜30分ほどで覚醒効果が現れるので、30分後の快適な寝覚めを助けてくれるんです」

 

“昼寝=怠け者”という後ろめたさを感じる必要はなく、堂々と“30分”昼寝すべきなのだ。

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