■食事で内側から頭痛に対処する
「赤ワインを飲むと、頭が痛む」
そう感じる人もいるだろう。アルコール自体にも、アルコールに含まれる「ヒスタミン」という成分にも、血管拡張作用がある。さらに、赤ワインに含まれる「フェニルエチルアミン」や「ポリフェノール」にも血管拡張作用があるので、片頭痛を起こしやすいのだ。
アルコール以外にも似た作用を持つ食品は意外と多い。次を参考に覚えておけば、避けることもできるだろう。また緊張型頭痛は、糖質の過剰摂取に注意が必要だ。糖質を取りすぎると「AGEs(終末糖化産物)」が血管内にたまって、血液循環を悪化させる危険性がある。
【頭痛を引き起こしやすい要注意な食べ物】
〈片頭痛〉:アルコール/赤ワイン/発酵した大豆(納豆、味噌、醬油)/キムチなどの発酵食品/ノンカロリーシュガー/ハム・ソーセージ
〈緊張型頭痛〉:糖質・カルシウム全般の取りすぎ
〈両方の頭痛〉:チョコレート
片頭痛は、赤ワインの「フェニルエチルアミン」、キムチなどの「チラミン」、ノンカロリーシュガーの「アスパルテーム」などが要注意。緊張型頭痛は、「糖質」と「カルシウム」の取りすぎに注意を。「ポリフェノール」と糖分の多いチョコは両方NG。
反対に、頭痛を予防するにはバナナがおすすめだという。
【頭痛予防のために積極的に取るべき食べ物】
〈片頭痛〉:コーヒー(取りすぎに注意)/はちみつ・メープルシロップ/牛乳/ほうれん草/すいか/サケ・イワシ
〈緊張型頭痛〉:肉・魚/レバー・アサリ/梅干し・レモン・いちご/しょうが/ブロッコリー・キャベツ・キウイ/かぼちゃ
〈両方の頭痛〉:豚肉/ウナギ/ヒジキ/アーモンド/ごま/バナナ/甘酒
片頭痛には、適量の「カフェイン」「トリプトファン」「ビタミンB群」や「カリウム」「シトルリン」「オメガ3脂肪酸」などが予防効果◎。緊張型頭痛には「タンパク質」「ビタミン類」や「クエン酸」「ショウガオール」などがおすすめ。
「片頭痛には『セロトニン』が効果的ですが、食品から取ることはできません。ただバナナには体内でセロトニン生成に必要な『トリプトファン』や『炭水化物』が含まれています。それに『マグネシウム』や『ビタミンB₆』も多く、緊張型頭痛も楽になる。バナナは両方の頭痛に効果的です」
頭痛を引き起こす食べ物と予防する食べ物を知って、食事で内側から対処しよう。
【PROFILE】
丹羽潔
医学博士、日本頭痛学会認定専門医。『日本初の頭痛専門クリニックが教える 最新頭痛の治し方大全』(扶桑社)など著書多数